maniacs 工房長 大谷です。VW/Audi 純正G13 クーラント希釈済500ml bottled by maniacsは、発売した私達の予想を5倍くらい上回る勢いでコンスタントに売れておりまして、需要が多いことに驚いています。商品名が全てを語るくらいのシンプルな商品なので、お問い合わせはさほど多くないのですが、実際にいただいたご質問を2件ご紹介します。
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1件目は、質問自体がどうなの?という感もありますが、これだけ多く売れますと、中にはこのような心配をする方が何人かいらしても不思議ではないので、真面目にお答えしています。2件目は稀に起こり得るケースかと思います。


【Q1】この商品は「精製水」で希釈しているそうですが、VWは「蒸留水」を指定しています。精製水で良しとした根拠やエビデンスがあるのでしょうか?

【A1】

maniacs05「蒸留」は水を「精製」(=純度を上げる)する手段の1つであり、よって「蒸留水」は「精製水」の一種です。「蒸留水」という物質があるわけではなく、中身はただの「水」です。水の精製方法は蒸留以外にも何通りもあり、結果として純度が高いかどうかが精製水としての良否(優劣)の尺度になります。

蒸留は原始的な精製方法のため、コストパフォーマンスに劣り、現在はほとんど用いられていません。蒸留水でも蒸留の設備によっては結果として他の精製方法以下の純度となります。現在、工業的に最も高純度の水が要求されるのは半導体製造の分野ですが、半導体製造で使用される「超純水」も蒸留水ではなく、他の精製方法で製造する精製水です。純度において、蒸留水>精製水という序列があるわけでないです(参考文献:超純水の製造方法とその応用)。

Image5クーラント希釈用に蒸留水が指定されている背景として、世界の大半の国は水道水が飲用に適さないレベルの純度でしかなく、また水道すら整備されていない地域では川の水を汲んできて希釈に使われたりすることも十分に想定できるので、それらに対して、いわゆる「綺麗な水」を使ってもらう必要があります。

G13クーラントは世界のあらゆる地域での使用を想定して、ラベルは11カ国語で書かれています。「蒸留水」は言語によらず一般用語として理解され易く、「精製水」は通じ難いので、その表現が用いられたと思われます。つまり精製方法を蒸留に限る意図はなく、理化学的な意味でその用語が選ばれたわけではないので、ここで「蒸留水」「精製水」の区別を気にする必要はないです。

クーラント希釈用の水に含まれる不純物で問題となり易いのは、水道水の場合はカルキ(塩素等)、天然水の場合はミネラル(カルシウム、ナトリウム等)ですが、その求められる純度は、一般的に日本の水道水であれば実用上問題ないレベルです。つまり種々の工業用途の中でも比較的低いレベルの純度で大丈夫です。

対して、maniacsが当該クーラントの希釈用に使用している精製水は、
Image4 1)活性炭濾過  
 2)異物フィルタ濾過 
 3)RO膜処理    
 4)脱炭素処理
 5)イオン交換1
 6)UV殺菌
 7)イオン交換2
 8)UF膜処理(限外濾過)

という8工程で製造される工業用の純水で、これは上記の半導体製造用の超純水に準じた高度な精製工程です。この精製水は、理化学分析、医療機器洗浄、電子産業、印刷インクの希釈、放電加工、化学品製造、レンズ等洗浄、スチーム、ボイラー、写真、バッテリー液希釈、等々に広く使用ができる高純度の純水で、もちろん冷却水希釈もメーカーの推奨用途に含まれています。この精製水の純度は、クーラント希釈用の水に必要な純度のレベルを2桁以上上回っており、よって全く問題ありません。安心してご使用いただけます。

根拠となる知見と考察は以上です。つまり精製水メーカ(古河薬品工業)のスペックに基づいて当社の判断で精製水を使用しております。「エビデンス」についてVW/Audiからのレター等の直接的なエビデンスが必要とは考えていません。上記のとおり品質に全く問題がない確信があるためですが、それでもエビデンスの点でご心配が残るようであれば、精神衛生のことは人それぞれ重要な問題ですので、ご自身でG13クーラント原液を「蒸留水」で希釈して使用してください。

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【Q2】冷却水の警告灯が点灯し、リザーバーを見ると写真の通り冷却水が減っていました。貴社で購入したクーラントが届くまで、100キロ程度なら走っても問題ないでしょうか?




【A】
警告灯が点灯しているということは、車両自身の自己診断結果として「速やかに対処すべき」であることをドライバーに知らせています。よって、基本的にはお乗りにならない方が良いです。警告灯が点灯したばかりの時点であれば、多少は走れるかもしれませんが、第三者の当社が「走っても大丈夫」というような見解を、遠隔から述べることは不可能です。 
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写真を拝見しますと、LOWレベルを大きく下回っていますので、500cc×1本の補充では、おそらく足りないと思われます。とりあえず1本を投入すれば警告灯は消える可能性が高いですが、必要量(LOWとHIGHの間の適正レベル)まで補充するには、2本以上をご購入されるようお奨めします。
 
また、前回の車検でクーラントの点検と補充を行っている場合、2年以内(仮に2〜3万キロ程度)の減り方としては、減り過ぎのように見受けます。補充でとりあえずの走行はできるようになりますが、減った原因を確認する必要がありますので、早めのタイミングでディーラーまたは整備工場で点検してもらった方が良いと思います。

VW/Audi 純正G13 クーラント希釈済500ml bottled by maniacs(商品ページ)