maniacs 工房長 大谷です。先月の記事で開発状況を少しご紹介しました、Audi A3/S3(8V)用のMCBの装着ブラケット、試作ができ上がってきましたので、S3のデモカーに装着して評価しました。

sフロント右(表)sフロント右(裏)










maniacsで図面化したフロント用のブラケット(製品版)は、こんな感じ。試作なので塗装していませんが、できるだけ無駄を省いた形状と肉抜き穴の見栄えが、我ながらスポーティでカッコ良いです。限られたスペースの中で、プロトタイプよりも剛性を大幅に向上しており、ボディの振動をよりダイレクトにMCBに伝えて作用させられます。

sリア右(裏)sリア右(表)










リア用は、こんな感じです。こちらも剛性アップを図っています。軽量でシンプルな設計ですが、ストレートに力を伝えられる形状にしています。部品自体の製造品質安定と、取付の作業性も考慮した作りになっていて、製造も施工もスムーズなはずです。

装着検証04装着検証03










早速、車両に装着して各部のフィッティングを確認しました。フロントはギリギリを攻めた設計のため、装着確認でクリアランス不足の個所がいくつか見つかりました。この現車に装着して走行テストするには問題ありませんが、車両のバラつきを考慮するともう少しクリアランスが欲しいところ。図面をちょっと変更することにしました。リアは全く問題なく、試作の形状のとおり製品化の予定です。

装着検証01装着検証02










ブラケットの剛性をプロトタイプよりも向上させたので、走行テストも再度行いました。テストではフロント、リアのMCBセッティングを変更して何通りかの組み合わせで再確認。maniacsでのテストドライバーは杉田マネージャーと熊澤チーフメカニックです。結果的にはアイシンの走行テストで「推奨セッティング」として送られてきたレポートデータ通りのセットがベストでした。

実際に乗った印象は、非常に良い感じに仕上がっています。日常域から高速走行、スポーティな走行まで、MCBらしい効果を十分に感じられます。S3の場合は生来の安定感のある素直な特性が、よりビシッと正確な反応を示すようになります。乗り心地もボディがしっかりして、19インチホイールでもネガティブを感じません。

フロントの図面小変更は完了し、製品化に向けて製造日程の調整中です。発売までもう少々お待ち下さい。