工房長です。先日来2回に渡ってじぇいさんがアップした記事「結束バンドに関するあれこれ」に、予想を上回る反響を皆様からいただきました。結束バンドは車のDIYでは様々な場面で使いますし、テレビ番組で「整理の達人」とか「日曜大工」みたいなところにも多く登場するので、興味深いところかと拝察しました。
そこで工房長も、いろんな応用範囲の中で最もメインの用途である「配線の引き回しと包縛」を工房長自身の施工例(maniacs STADIUMでのお客様の車両への装着)でご紹介します。この例は、クイックホーン、サンクスブリンカーの、電源、アース、制御線を助手席足元の左側からセンターコンソールまで引き回した実際の作業写真です。
最初のポイントは、ギボシ端子の整理です。maniacsの「専用配線ハーネスキット」もそうですが、後付け電装品において「良い配線」というのは端から端まで一気に繋がった線にせずに、要所にギボシ端子等で切り分け個所を設けてあります。メーカー製の市販品も大半はちゃんとそうなっています。ご自身で諸々施工する場合も、そのようにしてください。
ギボシ端子は野放図にしておくと見た目にだらしなく散らかるだけでなく、絡んだり引っ張られたりして、最悪は絶縁スリーブがズレて端子が露出してしまったり、接続が抜けてしまうリスクがあります。ビニールテープで巻く方法もありますが、より綺麗にスッキリ見える(あとでベタベタしたない)方法として、きちんと揃えて束ねて、結束バンドで括るのがお奨めです。
ギボシ端子を綺麗に括ると、その前後の配線も自ずと流れ揃ってスッキリします。それらの全体を、ぶらぶらしないように車両に固定しますが、固定は、車両に既設の配線が車両に固定されている個所に一緒に包縛するのが一番良いです。
この例ですと、太い赤の電源ラインがあり、それが要所で車両の構造物に固定されているので、その既設の固定具の付近に結束バンドで止めます。位置的に、両手を入れるのは体勢が少しきついので、写真のようにこのあたりは片手でできると作業が捗ります。
左写真は助手席足元の、いちばん左奥の位置です。ここから右方向(センターコンソール方向)に向かう既設配線があるので、その配線に沿わせていきます。やはり既設配線を車両に固定している個所に一緒に括ります。
左写真の真ん中付近の今回敷設する配線がカーブする個所、このような個所は最短距離で引っ張らずに、ゆとりを持たせてカーブするのがポイントです。このゆとりは「余長」と言って、配線がカーブする個所には原則的に必要とされます(下写真も参照)。
結束バンドを止める位置は、足元のその先の一番奥なので、手が届き難く、既設配線の向こう側に結束バンドの先端を通して戻してくるのは慣れないと少し大変かもしれません。完成すれば殆ど見えなくなる位置ですが、できれば綺麗にきちんと包縛したいところです。
後付けの電装品の作業は、配線の「引き回し」と「包縛」にセンスの現れます。あとで踏んだり引っ掛けたりするリスクがなく、熱とか振動の影響もなく、一番安心できて、なおかつ綺麗に纏まるのは、このように車両の既設配線と同じルートに沿わせる方法です。
映像信号、オーディオ信号、アンテナ信号など、一部のデリケートな配線は他の配線と沿わせない方が良い場合もあるのですが、今回の例のように電源、アース、接地信号線などは、既設配線のルートに沿わせて大丈夫です。
結束バンドで包縛し終わったら、バンドの余分の長さをカットします。じぇいさんの説明のとおり、フラットニッパー(精密ニッパー)でロック部にツライチにカットします。ニッパーを当て易いように、結束バンドを締める時点でロックの向きと位置を考えておくとスムーズです。
この位置は、写真のように奥の方に片手を伸ばしてニッパー使うことになります。無造作にニッパーでカットすると、切ったカスがどこかに飛んでいきます。カスを紛失しても実害はありませんが、カーペットの下などに入ったままだと精神衛生上良くないので、バンドの先(カスになる部分)をニッパーの柄と一緒に中指の腹あたりで押さえて、飛び散らないようにして回収します。
綺麗に引き回して、包縛も完了し、結束バンドの余分の長さも綺麗に切り、カーペットを元に戻すと何事もなかったかのように納まります。見えなくなる個所もきちんと綺麗にしておくと、配線接続の信頼性が確保できるだけでなく、後日に別の何かを装着する場合にも開いた瞬間にモジャモジャというようなことがなく、気持ち良く作業できます。
以上、DYIの参考にしてみてください。
2020.04.18追記:
この記事をアップしましたら、じぇいさんからメールいただき、「頑張って片手を器用に使わなくても良い道具がありますよ」と教えてくれました。
キャッチニッパ
なるほど、これは良さそう。次に何か工具買うときに、これも一緒に調達してみようかと思います。
そこで工房長も、いろんな応用範囲の中で最もメインの用途である「配線の引き回しと包縛」を工房長自身の施工例(maniacs STADIUMでのお客様の車両への装着)でご紹介します。この例は、クイックホーン、サンクスブリンカーの、電源、アース、制御線を助手席足元の左側からセンターコンソールまで引き回した実際の作業写真です。
最初のポイントは、ギボシ端子の整理です。maniacsの「専用配線ハーネスキット」もそうですが、後付け電装品において「良い配線」というのは端から端まで一気に繋がった線にせずに、要所にギボシ端子等で切り分け個所を設けてあります。メーカー製の市販品も大半はちゃんとそうなっています。ご自身で諸々施工する場合も、そのようにしてください。
ギボシ端子は野放図にしておくと見た目にだらしなく散らかるだけでなく、絡んだり引っ張られたりして、最悪は絶縁スリーブがズレて端子が露出してしまったり、接続が抜けてしまうリスクがあります。ビニールテープで巻く方法もありますが、より綺麗にスッキリ見える(あとでベタベタしたない)方法として、きちんと揃えて束ねて、結束バンドで括るのがお奨めです。
ギボシ端子を綺麗に括ると、その前後の配線も自ずと流れ揃ってスッキリします。それらの全体を、ぶらぶらしないように車両に固定しますが、固定は、車両に既設の配線が車両に固定されている個所に一緒に包縛するのが一番良いです。
この例ですと、太い赤の電源ラインがあり、それが要所で車両の構造物に固定されているので、その既設の固定具の付近に結束バンドで止めます。位置的に、両手を入れるのは体勢が少しきついので、写真のようにこのあたりは片手でできると作業が捗ります。
左写真は助手席足元の、いちばん左奥の位置です。ここから右方向(センターコンソール方向)に向かう既設配線があるので、その配線に沿わせていきます。やはり既設配線を車両に固定している個所に一緒に括ります。
左写真の真ん中付近の今回敷設する配線がカーブする個所、このような個所は最短距離で引っ張らずに、ゆとりを持たせてカーブするのがポイントです。このゆとりは「余長」と言って、配線がカーブする個所には原則的に必要とされます(下写真も参照)。
結束バンドを止める位置は、足元のその先の一番奥なので、手が届き難く、既設配線の向こう側に結束バンドの先端を通して戻してくるのは慣れないと少し大変かもしれません。完成すれば殆ど見えなくなる位置ですが、できれば綺麗にきちんと包縛したいところです。
後付けの電装品の作業は、配線の「引き回し」と「包縛」にセンスの現れます。あとで踏んだり引っ掛けたりするリスクがなく、熱とか振動の影響もなく、一番安心できて、なおかつ綺麗に纏まるのは、このように車両の既設配線と同じルートに沿わせる方法です。
映像信号、オーディオ信号、アンテナ信号など、一部のデリケートな配線は他の配線と沿わせない方が良い場合もあるのですが、今回の例のように電源、アース、接地信号線などは、既設配線のルートに沿わせて大丈夫です。
結束バンドで包縛し終わったら、バンドの余分の長さをカットします。じぇいさんの説明のとおり、フラットニッパー(精密ニッパー)でロック部にツライチにカットします。ニッパーを当て易いように、結束バンドを締める時点でロックの向きと位置を考えておくとスムーズです。
この位置は、写真のように奥の方に片手を伸ばしてニッパー使うことになります。無造作にニッパーでカットすると、切ったカスがどこかに飛んでいきます。カスを紛失しても実害はありませんが、カーペットの下などに入ったままだと精神衛生上良くないので、バンドの先(カスになる部分)をニッパーの柄と一緒に中指の腹あたりで押さえて、飛び散らないようにして回収します。
綺麗に引き回して、包縛も完了し、結束バンドの余分の長さも綺麗に切り、カーペットを元に戻すと何事もなかったかのように納まります。見えなくなる個所もきちんと綺麗にしておくと、配線接続の信頼性が確保できるだけでなく、後日に別の何かを装着する場合にも開いた瞬間にモジャモジャというようなことがなく、気持ち良く作業できます。
以上、DYIの参考にしてみてください。
2020.04.18追記:
この記事をアップしましたら、じぇいさんからメールいただき、「頑張って片手を器用に使わなくても良い道具がありますよ」と教えてくれました。
キャッチニッパ
なるほど、これは良さそう。次に何か工具買うときに、これも一緒に調達してみようかと思います。