皆さんこんにちは。maniacs公認サポーターのじぇいです。前回に引き続きOPTIMIZE maniacs sound system for Golf7の取付方法をご紹介いたします。最終回の今回はフロントドアスピーカー交換編になります。かなりの部分は前回のリアドアスピーカー編とダブることになりますのでその辺りは軽く流し、なるべくフロントドア特有の箇所に焦点を当てて説明していきたいと思います。
毎度のことですが注意点です。施工時は車両の電源を切り、コネクタ類の接続を全て復旧するまで、電源を入れないようにしてください。車両にエラーログが残らないための措置です。Discover Proにダメージを与えるリスクも回避できます。
【1.フロントドア内装の外し方】またもやいきなりですが、ドアの内装が外れた状態です。写真の○印位置にクリップがあり、その近くにリムーバツールを差し入れますので、該当箇所のドア骨格の塗装面に養生テープを貼っておきます。ドア上部、窓ガラスの枠(モール)部分も、前回説明したリアドアと同様に養生します。
この写真で、先にフロントドア固有の特徴を説明しておきます。赤四角でマークした個所は、スライド式のTクリップです。これは他のクリップとは構造が全く異なり、手前に引くだけでは外れない(無理やり引っ張ると壊れる)ので、予めそのことを頭に入れておく必要があります。具体的な外し方はあとで説明します。もう一個所、ドアの前上側の内装部分にも念のため養生テープを貼ります。詳細は後述しますが、この個所があるために内装の前側は上に持ち上げることができず、後ろ側にスライドさせる感じで外します。ここも、予め頭に入れておきたい個所です。
それでは、ドアの内装を剥がしていきます。まずグリップハンドルのカバーを取外します。次に、その内部およびグリップハンドルの下部にあるT30のトルクスネジ、計2本を外します。ここまではリアドアと同じです。それから、下部にある回転式のファスナー(回転フック)を外しますが、これはリアドアとは位置が異なります。リアドアはカーテシランプを外した内部にありましたが、フロントドアはカーテシランプの少し前方にあります。上右写真の四角で囲んだ個所です。
その個所に、ドア内装の下面から上方向に深く窪んだ個所があり、その窪みの中に回転式ファスナーがあります。上右写真は、その窪みを下から見上げる視点で撮影したもので、向きは写真上方が室内側、写真下側がドア骨格側になります。同じアングルの写真を上下2段にレイアウトしてあり、上段がロック状態、このファスナーを90°回転させて写真下段のようにするとロック解除状態です。
写真はドア内装を外した状態で、裏側を撮影したものです。トルクスネジ2本と回転ファスナーを外すと、あとは内装を固定しているのはプラスティックのクリップのみとなります。そこまではリアドアと同じです。前述のごとくフロントドアのクリップは上部後方の1つがT字型のクリップになっているのが異なるところです。6個所のうち、このT字型クリップを外す順番は最後になります。
内装のエッジ部分は意外と鋭利ですので、軍手などの保護具使用をお勧めします。クリップは下部にあるものから順に外していくきます。ドア前部と後部の中段のクリップは、なるべく手前にまっすぐ引いて短いストロークで外してください。内装を捲るようにしてクリップを外したり、クリップを外した勢いが余って内装を大きく手前に開くまで引っ張ってしまうと、内装上部のまだ外れていない個所に無理が掛ってしまいます。さてT字型クリップの構造です。内装の裏側にある角棒状の突起の先端がT字型の傘になっていて、ドア骨格側の受けに嵌まり込んで抱え込むように固定されています。しっかりフックされていて手前に引いても外れません。無理に手前に引っ張るとクリップが破損します。フックされている上下方向は解放されていて、内装を上方にスライドさせるとドア骨格側の受けからT字の突起が上方に滑って外れます。
ということで、T字型クリップを除く5ヶ所のクリップが全て外れたら、T字型内装クリップは外さないまま内装の後部を持ち上げます。するとT字型のクリップも外れつつ内装の後部も上方に外れます。内装の前部は上方向には外れませんので、内装の後部が外れたら内装全体を後ろ方向にスライドさせながら徐々に内装を持ち上げます。内装の前端がウインドーモールの下端と重ならない位置まで後方にスライドさせたら、あとは内装全体を上方に外すことができます。上方の外す際は、勢い余って持ち上げ過ぎてしまわないように、ゆっくりと慎重に外してください。
内装が外れたら、内装につながる各種配線とドアロックワイヤを外します。慣れれば仮置きせずに片手で内装を持ったまま作業できますが、慣れていない場合はここで内装を仮置きするのが安心です。リアドアのところで説明したとおり、仮置き台を用意しておきましょう。最初にドアロックワイヤ外します。ドアロックワイヤの外し方はリアドアと同じです。
ワイヤが繋がっている状態では、内装とドア骨格の位置関係はとてもタイトに拘束されていますが、ワイヤを外すと少しだけ拘束が緩み、位置関係を離すことができるようになります。その状態でコネクタを分離していきます。
運転席はコネクタの数が多いです。後側の2ヶ所(水色と茶色のコネクタ)は、コネクタについているロック解除爪を押しながらコネクタを引っ張れば分離できます。その前には3ヶ所のLED用コネクタがあります。これらは、内装に残る側のコネクタの爪を持ち上げながら、相手側のコネクタを引っ張ると分離できます。なお写真に写っている赤色のコネクタは分離する必要がありません。それからパワーウインドーのコネクタを外します。まず赤色のロック部分を下に引き出した後、黒色の爪を押しながらコネクタを下に引っ張ると分離できます。これらの配線コネクタを外すと、内装を完全に外すことが出来ます。
【2.ノーマルスピーカの取り外し】
続いてスピーカーの交換に移ります。スピーカーを外す手順は、リアドアと全く同じです。作業風景のみ、上や下に写真を載せておきますので参考にしてください。
スピーカを取り外したら、残ったリベットの軸を除去します。これもリアドアと同じです。
【3.ジュラルミン製専用バッフルの装着】
ジュラルミン製バッフルの装着も、リアドアのときと全く同じです。こちらもフロントドアの作業風景を掲載しますので、参考にしてください。
【4.スピーカの取付と配線接続】
バッフルを装着したら、装着するスピーカに配線を接続します。極性を確認して端子を接続して、スピーカをバッフルにネジ止めします。これもリアドアと同じです。それから車両側にスピーカー線をつなぎます。取説に従い、写真のような色あわせで差し込みます。端子は写真のように曲げておくとコネクタ側の端子に引っかかり、簡単に外れなくなります。
根元までしっかり端子を差し込んだら、スピーカー線をコネクタ側に180度折り返し、インシュロックなどで固定し、スポンジゴムを巻いた上で既存配線に固定します。これもリアドアと同じ手順ですね。
【5.内装の復旧】
パワーウインドーのコネクタとドアの開閉ワイヤを正しく内装に取付けたら、取外しと逆手順で内装を元に戻していきます。ですがクリップを止める前に、一度電源を入れスピーカーが鳴るかをテストしておくと良いです。その際、無用なエラーログを残さないために、スピーカー配線だけでなく他の各配線コネクタも全て復旧した状態でテストしてください。またパワーウインドーが正しく動くか、各照明が正しく光るかも確認しておきましょう。あの硬いクリップを再度外すことが無いように、確認は念入りにしておきましょう。内装の復旧手順も基本的にリアドアと同様です。クリップの状態を確認し、必要ならクリップを伸ばして先端を縮めておきましょう。
例のT字クリップの固定は簡単です。前から押し込めば、受け部分に嵌まって固定されます。スライドさせて入れる必要はありません。ですので、装着の際には他のクリップに比べてとくに意識する必要はありません。
取外しとは逆に、内装の前側をドア側に残っているプラスティック部品の下に入り込ませる感じに前方に挿し入れ、内装の上部をウインドーモールに嵌めて吊り下げます。次に全てのクリップがドア側の穴に嵌まる位置関係であることを確認したら、クリップ部分を軽く叩いて内装を固定します。
前述の通り、T字クリップも前から軽く叩けば嵌まります。全てのクリップがとまると、内装はドアと隙間無く固定されます。厳密に言いますと、スピーカー付近のみ僅かに内装が浮き気味になりますが、これで正常です。全周の納まりを確認して、カーテシランプ前の回転式ファスナーを90度回して固定し、ドアハンドル上下のトルクスネジを締めれば内装が完全に固定されます。最後にドアハンドルのカバーの復旧手順もリアドアと同様です(なので写真もリアドアの使いまわしです。。。)。後ろ側をまず引っ掛け、前に被せるようにして固定します。以上で運転席側は完了です。
【6.助手席側】
後席は右側と左側で完全に左右対称ですが、前席は運転席と助手席で若干異なります。とはいえ助手席側もほとんど同様の手順で交換できます。異なるのは配線コネクタの数と種類です。LED用のコネクタは運転席側は3ヶ所でしたが助手席側は2ヶ所です。取外しの手順は運転席側と同様で、内装に残る側のコネクタについているロック部分を持ち上げて、コネクタを引き抜けばOKです。
パワーウインドーのコネクタは、助手席はリアドアと同じ形状です。コネクタの爪を押しながら、後ろに引っ張ると分離できます。スピーカ交換、内装の復旧作業等は以下同文ですので割愛いたします。
以上でフロントドアスピーカーの交換作業は完了です。なれるとドア1枚当たり30分程度で作業できてしまいますが、初めて作業される方は内装が外れず、ドア1枚あたり1時間くらい掛るかもしれません。時間に余裕をもって、楽しみながら作業していただければと思います。
【7.まとめ】
以上でOPTIMIZE maniacs sound system for Golf7の取付作業は完了です。合計6ヶ所のスピーカーを交換したわけですが、全てが完成して音出しすると誰もがびっくりすると思います。純正ではなんとなく“ぺなぺな” で、”もやっと” した音が耳についたのですが、交換後はJBLらしい、明るく切れのある音が堪能できます。よく”一皮剥けた音”という表現がありますが、今回のがまさにそれですね。楽器の一音一音がちゃんと再生され、特に女性ボーカルの艶やかさが増したイメージです。
その結果、SDカードに保存した音源自体の音の粗さ目立つようになってしまったほどです。保存時の圧縮率が高すぎて劣化していることに、あらためてた気づいてしまったわけです。大げさでなく、本当にそのくらいの再現力の違いがあるのです。仕方ないのでSDカードを容量の大きいものに変え、圧縮レートを下げました。それによって、さらに一層良い音になり、満足の相乗効果です。耳が贅沢になってしまい、もう元には戻れません。
3回に分けて説明するくらいの大きなボリュームのDIYですが、その苦労に見合う音が手に入ること請け合いのこの商品。オーディオ好き、音楽好きの方にとっては、ハイコストパフォーマンスと言って間違いありません。小生も大満足すぎて、できるだけ多くの皆様にDIYにチャレンジして欲しいという気持ちで、ハリキッてこんな壮大な記事を書いてしまった次第です。皆様もモディファイ計画のラインナップにぜひ加えられてみては如何でしょうか?ではでは!!
OPTIMIZE maniacs sound system for Golf7 (商品ページ)
以下余談です。
オーディオの音質向上の一環でドアのデッドニングを行うのは良く知られていますが、先日ちょっと面白い箇所のデッドニングを行ってみました。それは、、、天井です。昨年の夏にゲリラ雷雨に遭遇し、天井に打ち付ける雨音に我慢ならず実施したのですが、、、効果はなかなかのものでして、普通の雨音が気にならなくなりました。まだゲリラ雷雨に遭遇してはいないのですが、頑張って作業した甲斐があったようです。でも作業はなかなかに大変。maniacsのピットを借りて、DIYで丸1日かかりました。あまり万人向けのネタではありませんが、個人的に気になるようなことものDIYで解消できるという一例でした。DIYはホント、楽しく、奥が深いです。