皆さん、こんにちは。maniacs公認サポーターのじぇいです。今回は少し手間の掛るDIYを行ってみました!!ちょっと長編になりますので、3回シリーズでご紹介いたしましょう!!ずばりOPTIMIZE maniacs sound system for Golf7の取付方法です。
【小生の視点から、商品のご紹介など】
オーディオ好き、音楽好きにとっては、Golf7の弱点ともいえるスピーカー。これを丸ごと交換することで、別次元にグレードアップしたサウンドを手に入れられる商品です。専用にネットワークチューンされたスピーカーは、JBLらしい明るく切れのある音を奏でます。工房長の言葉を借りれば「純正との差は一聴瞭然」誰もがご満足いただけること間違い無しの製品です。まずは商品パッケージの紹介です。スピーカーはフロントがセパレートタイプの2way、リアはコアキシャルの2wayとなります。目を引くのはアルミ(と公称していますが実は航空材料でもあるジュラルミン製です!)削り出しのバッフルでしょう。その重量感、剛性感、そして見た目にも美しい仕上げは、パーツ単体の時点で既に一級品の雰囲気満点です。工房長によれば、この専用バッフルはスピーカユニットとの相乗で、音質にもの凄く効いてくるそうです。そのほか配線やビス類など、かなりなボリュームのパッケージとなっています。
さてこの商品には取説も付いているのですが、少し上級者向けの簡便な記述なので、初めてスピーカーを交換する方はちょっと戸惑うかもしれません。今までご紹介してきたDIYに比べると少しレベルが高く、必要な工具類もやや多くなりますし、ご自身で用意する必要のある部材もあります。この点は商品の性格上、ご了承いただきたいと思います。とはいえ、今回はできるかぎり初心者の方でもわかりやすいように取説を補足していきたいと思います。
装着は複数個所に渡りますので、一つの記事で全てを説明し切れません。3回シリーズの第一回として以下フロントトゥイータの取付方法をご説明いたします。
まずは、重要な注意事項から。作業時は必ず車両の電源を切り、スピーカーから音が出ていない状態にしてください。Discover Proは一般のオーディオアンプ等と異なり、スピーカー配線をショートさせるとヘッドユニット本体が致命的に故障する場合があります。ショートさせないように十分ご注意ください。
【1.ピラーカバーの取り外し】
まずはAピラーカバー(ピラーの内装カバー)取り外しを運転席側の写真で説明していきます。Aピラー部分の構造は運転席側と助手席側で左右対称ですので、助手席側も同じ要領で作業できます。最初にAの根元に傷防止用の養生テープを貼ります。ピラー内装はダッシュボードの脇に刺し込まれるように装着されています。抜き差しするときにダッシュボードを摺り、傷つけてしまうリスクがありますので、養生はぜひ実施しておきましょう。
Aピラーカバーは前述の通り根元がダッシュボード脇に刺さっているほか、その上部は3個所のクリップで固定されています。おおよそのクリップの位置は左写真の通りです。
クリップを外すには、内装を車両内側方向に引っ張ります。上2箇所のクリップは特殊形状のため、完全に内装を外すことが出来ません。左写真の位置まで引き出したら、これ以上は無理に内装を引っ張らないでください。またGolf7のクリップは非常に硬いので、この位置まで上手く引き出せないという場合は、次の説明写真を参照しつつ、ピラーカバーと車両のピラー骨格の間にリムーバツール等を刺し入れて、内部でクリップの直近に引き剥がす力を加えるようにツールを捻るかコジると良いでしょう。かなり強めの力を掛ける必要があって、初めての場合は難しく感じる作業ですので、スムーズに進捗しなくても焦らずに落ち着いてトライしてください。
特殊クリップは1段階まで外れたら、隙間からラジオペンチを使って取り外します。外し方は左写真のようになります(写真の中ほどが実際の作業、下はその際に内部がどうなっているかの説明、上はピラーカバー裏面がどうなっているかの説明です)。エアバックと車両側ピラーの隙間からラジオペンチを差し入れ、クリップを掴みます。そしてクリップをピラーの上側にスライドさせると、ピラーカバー側からクリップを外すことが出来ます。ピラーカバーの内側にレール状の溝があり、クリップの足がこの溝に嵌ってカバー裏面に直立しているのです。この溝はピラーの上方に向かって溝の端部が解放していますので、クリップを上方にスライドさせると溝から抜けてカバーから外れるわけです。
エアバックはラジオペンチと擦れたぐらいでは傷付きませんが、「気になる」という方はラジオペンチの表面や角部に養生テープを貼っておくと安心して作業に望めると思います。なお後述しますが、多くの場合、このクリップをスライドさせて外す作業を行うと、車両のピラーの骨格側からもクリップが外れます。外れてフリーになったクリップ単体をピラーカバーの内側に落としてしまうと、そのままピラーカバーとピラー骨格の間の隙間を滑り台のように滑走し、ダッシュボードの中部に脱落してしまい、厄介なことになります。このリスクを回避するには、ピラーカバーの中(外そうとするクリップよりも下の位置)にウェスなどを詰めて滑り落ちを防止しつつ、クリップはできる限りラジオペンチで掴んだまま外に取出すようにします。
一番下のクリップは通常形状ですので、ピラー骨格からピラーカバーを引き離すようにしてクリップが外れれば内装が外れます。クリップが外れたら、次工程でピラーカバーを外す際にその上端が天井にぶつかって天井内装を傷をつけないよう、ピラーカバーの角部に養生テープを貼っておくと安心です。さてクリップが3箇所とも車両から外れたら、ピラーカバーの下端をダッシュボードから引抜くのですが、そのままピラーの長手方向に引き抜こうとしてもなかなか外れません。根元付近では上から下方向に向かってピラーカバーが刺さっているためです。そこで写真のように片手でピラーカバーを保持しつつ上部は下方向に力を加えると、保持した手首を支点にして梃子のように根元が上側に持ち上げられて、比較的容易にピラーを引き抜くことが出来ます。ワンアクションで抜けない場合は、何度か梃子の動きをすると抜けてきます。その際、前述の通りピラー上部の角で天井を傷つけないように注意してください。
ピラーカバーが外れたら、その内部にある純正トゥイータに接続されているコネクタを分離します。ロックつきコネクタですので、矢印のように解除部分を摘みながら引き抜くことで分離できます。
ちょっと話を戻しまして、特殊クリップが取付くピラー骨格側のスリット穴の話です。ほとんどの車両個体は写真の左側のようにスリット穴の幅が上側で広がっています。ですのでクリップを上側にスライドさせたとき、引っかかっている部分がこの広がった範囲に達すると、クリップを外すことが出来ます(逆に言えば、意図せずとも外れてしまいますので注意してください)。
ところが小生の車のように、穴の幅が広がっていない車両個体も存在します。この場合、クリップを外すにはクリップ自体をペンチなどで潰し気味にしながら取外すしかありません。外す際にクリップが変形した場合はそのまま再使用せず、変形が軽微ならラジオペンチ等で変形をきちんと戻してから装着するか、できれば新品のクリップを購入して交換することを推奨します。なにせこのクリップ、エアバックが作動した時に内装が飛んでいくのを防ぐための特殊形状ですから、変形させてしまった場合は安全安心のためは念のため新品に交換するのが一番です。
【2.ノーマルのトゥイータの取り外し】続いてノーマルのトゥイータをピラーカバーの内側から取り外していきます。以下の写真は運転席側のものです。左写真は、車両から取り外したAピラーカバーのトゥイータ部分を内側から見たものです。ノーマルのトゥイータは3箇所でピラーカバーに溶着固定されています。溶着されているピンの頭部分をニッパなどで切断します。
トゥイータが外れた状態です。ピラーカバー裏面に支柱が立ち、その先端の中心にあるピンが融着されて、トゥイータのフランジを3点で固定していたわけです。融着で潰れた先端部分をニッパーで除去することで、トゥイータを外すことができます。
ノーマルのトゥイータが外れたら、その箇所にOPTIMIZEのトゥイータを装着します。OPTIMIZEのトゥイータを装着は以下2通りの方法をご紹介します。まず先に、基本的な装着方法から説明します。ここからは助手席側のピラーカバーの写真になります。上の写真とは左右逆転して見えていることになりますので、ご注意ください。
【3-1.基本的な装着方法】
換装するOPTIMIZEトゥイータは3方に張り出したブラケットのフランジを利用して固定します。ピラーカバー裏面の、純正トゥイータを取り外した箇所には、純正トゥイータを固定していた3本の支柱が残っていますので、その支柱にOPTIMIZEトゥイータの3つのフランジを接着固定するやり方です。
この方法ですと、OPTIMIZEのトゥイータはピラーカバーのネットから少し浮いた位置(=車載状態ではピラーカバーのネットから少し奥まった位置)に固定されることになります。OPTIMIZEのトゥイータには丸い保護ネットが標準装備されており、このネットの丸い出っ張りがピラーカバーのネット裏面とがぶつからないように、距離を確保する必要があるのです。
具体的には、ピラーカバー裏面の支柱の上部に残っているピン状の突起を利用し、トゥイータのフランジ側にそれに対応する切欠きを作って、そのピンと切欠きを嵌め合わせて位置決めします。ブラケットの3方のフランジのうち、上側に来る1箇所は開いている穴にそのままピンを嵌めます。残り2つのフランジ箇所の支柱のピンが嵌るように、ブラケットのフランジを写真のように切欠きます。このようにすると左写真のようにトゥイータのフレームはピラーカバーの裏面から少し離れた(車載状態では奥まった)高さに固定されます。そのままではピラーカバーの穴の周囲に隙間ができてしまうので、あらかじめトゥイータの周りにパッキンとして5mm厚程度のスポンジゴムを貼付けておくと、隙間が塞がれて、音質的にも無用な反射や回り込みを防ぐことができます。
ブラケットの固定は、接着剤を使います。接着剤はポリプロピレン、ポリエチレンも接着できる樹脂用接着剤が良いです。接着面積をできるだけ稼ぎながら、嵌め合わせ個所には接着剤を盛るようにします。または、鏝で3個所の支柱との噛み合わせ部を溶着するか、念を入れる方は接着剤と溶着の併用もありです。
接着剤が硬化したら、スポンジゴムのシートでトゥイータを覆い、配線には布テープを巻いておきます。この方法であれば、装着の位置も正確に決まりますし、ワンオフ的な工夫も要らず、加工も最小限で済むので、施工は楽です。また、後日車両の乗り換えでこのキットを取り外してノーマルに戻す、あるいは外したキットを中古で売却する、等の可能性を考慮しておきたい場合も、この方法が適しています。
【3-2.拘りの装着方法】
次に、別の装着方法として、少し拘ったやり方をご紹介します。上記の基本形ではトゥイータがピラーカバーから少し奥まった位置に、ノーマルのトゥイータと同じ向きに装着され、保護ネットはトゥイータ自体のネットとピラーカバーのネットで二重になります。わざわざスピーカを交換しようというくらいの方にとっては、この装着状態はベストではないと感じるはずです。そこで、トゥイータの丸いネットを取り去り、その分だけ装着位置を前進させ、角度も僅かですがリスナーの方に向くように装着することを考えます。もちろん小生もこの方法で装着しています。
まずは、トゥイータのネットを除去します(いきなりマニアックですね)。しかし実は、OPTIMIZE 旧Ver.のキットと、現Ver.のキットではトゥイータ自体の構造が変更されています(JBL側で、いわゆる予告なしの仕様変更というヤツです)。見分け方は、旧Ver.はトゥイータと取付ブラケットが別体になっており、新Ver.ではトゥイータ本体に最初からブラケットが一体化されているので簡単に区別がつきます。現在maniacsで販売されているものは、全て新Ver.とのことです。
OPTIMIZE 旧Ver.のトゥイータは左写真のように分解してネットを除去できたのですが、現Ver.のトゥイータは本体の組み立て構造が変更になっていてバラすことができません。新Ver.は無理にバラすと内部の配線が断線してしまう構造になっていますので、チャレンジ精神旺盛でも分解はしない方が良いです。
また人によってはドーム型ディフューザ部分(3本のリブで支えられている、中央の黒いドーナツ部分)が無いほうが音抜けが良い、またはオレンジのトゥイータが外から見えてかっこいい、とごいう意見もあると思いますが、小生は組み付け作業中の保護のことも考えて、ディフューザはそのまま残しています。
新Ver.のトゥイータのネットを除去するには、ネットを丹念にニッパーでカットします。その際、ネットは鉄製なので切り粉を発生させるとトゥイータの磁石に吸い付けられてしまうので、切り粉を出さないように注意して作業する必要があります。ネットを切った断端は金属色が露出しますので(写真右側はその状態です)、細かいところにも拘って断端を黒く塗ると目立たなくなります。
ネットを除去して装着する場合、3方フランジの取付ブラケットはニッパなどで加工し、左写真のような形状にします。写真は旧Ver.でブラケットとトゥイータ本体が分離していますが、新Ver.は一体のままフランジ部分を左写真と同様の形状に加工します。加工は、一度にたくさん切り取るのではなく、次に説明するトゥイータ位置を探る過程で、ピラーカバーの裏面に宛がって様子を見て調整しながら切断していくのが良いと思います。
ピラーカバーへの装着は、まずトゥイータを固定する位置を決めることから始めます。ここからは再び運転席側の写真に戻ります。装着位置は、トゥイータがピラーカバーの丸穴と概ね同心になり、トゥイータのフレームが丸穴の縁部分と平行か、またはアレンジとして若干搭乗者の方に傾くようにします。その際、カットしたフランジができるだけしっくり安定する角度を探って、決定します。
左写真では純正のトゥイータを固定していた3本の支柱がそのまま残っていますが、場合によってこれらは一部または全部切断してもOKです。ちょうど良い感じに安定する納め方というのは、装着する向きの好みも含め1通りに限定されるわけではないので、写真は参考用と考えてください。ご自身で気に入るようにアレンジして決定するのもDIYの楽しみですね。必要に応じてフランジ部分やピラーカバーの支柱を更に切り取ったり削ったり調整することで、納得の行く納まり感が得られると思います。位置が決まったら、接着剤でブラケットを固定します。既成の位置関係でパチンと嵌るわけではなく、凸凹があるところに何とか落ち着かせた感じの納まりですので、ピタッとした十分な接着面積は望めません。隙間を埋める意味でもエポキシ系の接着剤が良いと思います。素材的にはエポキシ系接着剤はピラーカバーの裏側には親和しないのですが、形状に対して物理的に食いつくので実用上は問題ない強度で固定できます。少しでも強度を期待すべく、接着面は事前に脱脂しておくようにします。
接着剤が硬化したら、裏を薄いスポンジゴムで覆います。これはコネクタ/配線類のビビリやカタカタ音防止、トゥイータの音の角を取る、といった(おまじない的)効果を狙っています。写真は小生手持ちのスポンジゴムですが、maniacsのピットではクッションテープ(厚さ2mm)を使用しています。配線部分には布テープを巻いておくと、カタカタ音防止や配線保護に役立ちます。
以上が小生お勧めする拘りのトゥイータ固定方法なのですが、流石にそれは大変そうだなぁ、と思われる方は、先に説明した基本形でも全く問題ないと思います。この装着方法の違いで、一聴して分かるほど音質に大差が出るわけでもないと思いますので、あくまでDIY的な拘りの領域です。
【4.配線の接続】トゥイータを装着したら、そのピラーカバーを車両に装着します。まずはトゥイータの配線を車両側のコネクタに接続します。このとき車両は電源を切り、スピーカーから音が出ていない状態にしてください。端子同士の間隔が狭く、ショートさせてしまう恐れがあるためです。Discover Proはスピーカ配線のショートだけで故障する場合がありますので、くれぐれもご注意ください。取説に従って、左写真のように+と−の配線をそれぞれ接続します。端子は根元までしっかり差し込んで、金属部分が露出しないようにしてください。
しっかり端子が刺さっていることを確認したら、配線を180度コネクタ側に折り曲げ、インシュロックなどでコネクタにしっかりと固定します。この時点で一度音を出してみて、正しくトゥイータが鳴っていることを確認しておくと後戻りのリスクをなくせます。最後にスポンジゴムでコネクタ全体を巻いておくと、コネクタの抜けやショートの防止と、カタカタ音の防止にもなります。
【5.ピラーカバーの装着】最後にピラーカバーを元どおり装着します。装着する際は、まず最初にピラーカバー裏面にクリップをセットします。その状態で、クリップを脱落させないように気をつけながら、ピラーカバーの下側をダッシュボード脇の所定の隙間に、外したときの逆の要領で差し込んでいきます。ピラーカバー下端の手前側は車両の部品に覆いかぶさるようにし、その外側端部は嵌めこんでいくに従って車両側のプラスチック内装部品と噛み合う納まりになりますので、それをイメージして進めると上手くいきます。
各箇所の噛み合わせの関係を目視で良く確認しつつ、噛み合わせの位置関係が違っている場合は要所でリムーバルツール等で介錯して、慎重に作業を進めてください。根元部分が引っかかって上手くダッシュボードに刺さらない場合は、リムーバツール等で押し込みながら作業すると上手く嵌め込むことができます。
下端部分が正しく差し込めたら、ピラーカバー裏面のクリップの先端が、車両のピラー骨格のスリット穴に対して正しく位置していることを確認します。ピラーカバーを少しめくったり、宛がったりしながら、ピラーカバーとピラー骨格との隙間から覗き見るようにしてクリップの先端がスリットに刺さろうとしていることを確認してください。OKでしたら、内装を軽く叩いてクリップを嵌込めば作業完了です。
ピラーのトゥイ−タの個所、ネットに透けてチラッとオレンジ色のドームが見え、その音に対する期待感が高まります!!しかしトゥイータだけでどうなるものでもありませんので、この段階では断線確認のための音出し程度に留めておきましょう。実際の音出しは次以降の記事でのお楽しみ!!今回のご紹介はここまでです。次はリアドアスピーカーの交換方法をご説明していきますので、ご期待ください。ではでは!!
OPTIMIZE maniacs sound system for Golf7(商品ページ)
クッションテープ(厚さ2mm) (商品ページ)