工房長です。Golf7にクイックホーンモジュールを装着する方法につきましては、こちらの装着マニュアルに掲載しておりますが、ちょっと写真が少なめで分かりづらい面がありましたので、maniacsのチーフメカニックによる装着作業写真、および図解を追加して詳しい説明を追加いたします。掲載済みの上記マニュアルだけで作業できる方には、以下は少し丁寧過ぎるかもしれません。そちらのマニュアルで分かりづらいと思われる箇所がある場合に、以下を参照してください。

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まず、ダッシュボード左端のカバーを外しますが、外し方は上左写真のようにリムーバルツールをダッシュボードとカバーの隙間に差し入れて捲るようにして外します。外したカバーには助手席エアバッグのスイッチが着いていて、裏面に配線がつながっています。この配線(コネクタ)を外している間にイグニッションをONにすると、メーターパネル内にエアバッグ警告灯が点灯してコネクタを戻しても警告灯は消灯しないので(ディーラー等で消してもらうことになる)、コネクタは抜かずにつながった状態のままで作業するのが無難です。

上中写真のように、ダッシュボード左端のカバーとボディの間の縦長の隙間を塞いでいる内装カバーがあり、それを外します。縦長のカバーは嵌まっているだけですが、ドアパッキンの縁ゴムが被っているので、それを捲るようにしながら、縦長の内装カバーを引っ張るとはずせます。それを外したら、先ほどのダッシュボード左端のカバーは、配線に負担が掛からないようにもとの位置に仮装着しておきます。

それから、上右写真のようにサイドシルのカバーを外します。完全に外す必要はなく、写真のように前方だけ捲って開きます。サイドシルカバーはクリップで嵌まっているだけですので、上方に引っ張ると外せます。外したあと、カバーの裏面に金属製のクリップが見えますが、作業中に脱落する可能性があるので、このクリップは一旦外して回収しておいた方が安心です。あとでサイドシルカバーを戻す際、その作業の直前にカバーの裏面にクリップを再び装着します。

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それから、キックパネル(=サイドシルカバーの前方、助手席足下の左横を覆うカバーのこと)を外します。キックパネルもドアパッキンの縁ゴムを捲りながら、横手前方向に引っ張ると外れます。キックパネルの裏面に金属製のクリップがボディ側に残る場合が多いです。クリップを確認して、ボディ側に残っている場合は上左写真のようにラジオペンチ等で取り外して、キックパネルの裏面の方に装着し直してください。

上中写真は、電源線を取りだしたところです。電源線の引き出し方はマニュアルに詳しく記載済みですので、そちらを参照してください。引き出した電源線は、写真の位置に出てきます(実際はもう少し長めに引きだされます)。上右の写真は、アース線を接続しているところです。ちょっと狭いですが、サイドシルカバーを横に開きつつ、カーペットも横方向に開いて、手の入る隙間を作りつつスパナ等で作業してください。

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引きだしたアース線は、キックパネル内のコネクタ類を迂回するように、コネクタ類の下方から前方を通して、グローブボックス下に引き回します。引き回した配線の先端は、先ほどの電源線とあとで纏めてタイラップで包縛するので、同じ辺りに来るようにしておいてください。以上で電源線とアース線の準備ができましたので、いよいよ制御線を引き出す作業です。

作業に先だって、コネクタの位置や構造を目視でしっかり把握しておく必要があります。上右写真のようにダッシュボート左端の縦長の内装カバーを外した隙間から、黄色矢印方向に斜め上方向に見上げて、コネクタを確認します。この先の作業中はコネクタが自分の手の陰になってしまい十分に見えない状態になるため、この時点でコネクタの位置と構造を理解し、しっかり把握してください。

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上左写真は、内部を覗いたところです。この写真の見方が少し難しいかもしれませんので、上中写真で説明します。赤枠で囲った黒いプラスチックのものがコネクタ本体です。手前のものが73c、真ん中のものが46bです。奥にもうひとつコネクタが見えますが本作業には関係ありません。赤枠のコネクタ本体の上部に、緑枠で囲った白いプラスチックの部品が見え、これがロックレバーです。ロックレバーの下部にコネクタ本体の一部が下から上方向に四角い爪になっています。黄枠で囲った部分がそれです。この爪は、ロックレバーが開かないように、ロックレバーをロックしています。

コネクタを外すには、まず黄枠の爪を黄色太矢印方向に押さえて、押さえた状態のまま緑枠のロックレバーを、緑色太矢印方向に引いて開いてください。ロックレバーは円弧状に開きます。ロックレバーを開くと、赤枠のコネクタ本体は赤色太矢印方向に抜けてきます。ロックレバーを90°以上まで開くとコネクタはほぼ完全に抜けますが、抜けきらない場合はレバーを倒しながらコネクタを赤色太矢印方向に並行に引いて抜いてください。以上の作業は、基本的に片手で行ないます(両手が同時に入るだけのスペースがないため)。

隙間からできる限り作業箇所を目視しながら行ないますが、どうしても自分の手の陰になってしまって見えない作業は、あらかじめ目視で確認した構造を考えながら手探りで行ないます。コネクタの構造と、操作する力の方向が合っていれば、コネクタはスムーズに抜くことができます。

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外したコネクタを下方に引き出す方法はマニュアルに詳しく書いてあります。引き出したコネクタは上左写真のようにアウターシェルとハウジング本体を分離します。両手でロックを開いて、スライドさせて分離してください。ハウジング本体が露出したら、側面の刻印でピン番号を確認できます。クイックホーンは専用ハーネスキットに入っているホーン制御線(青線、赤タップ)を46bコネクタの24番ピンの配線に接続します。接続する先の配線色は赤茶です。赤茶線とは赤茶色の線ではなく、線の被覆が赤と茶の縦縞のツートンカラーになっています。

青色制御線をエレクトラタップで接続したら、タップ部分に線の張力が加わらないように配線を包縛して保護し、コネクタを元のように組み立てて、元の位置に接続します。コネクタを元の位置に嵌めるやり方はマニュアルに詳しく説明してあります。コネクタを接続したら、青色制御線の先端(導体)を茶色アース線の先端と一瞬だけ接触させて、ホーンが鳴ることを確認します。長く接触させるとホーンの大きな音が鳴りますので、接触試験をは一瞬だけにするようにしてください。

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同様に、サンクスブリンカーは専用ハーネスに入っているハザード制御線(橙線、白タップ)を73cコネクタの42番ピンに接続します。接続が完了したら引き出した配線をテープで適宜包縛して、コネクタはハウジング本体にアウターシェルを元のようにスライドして被せて組立て、そのコネクタを元の位置に差し込みます。やり方はマニュアルに詳しく書いてあります。ハザードの橙制御線も同様に茶色アース線と接触させてハザード点滅が開始、次の接触で終了することを確認します。

そこまで確認できたら、引き出した4本の配線(赤:電源線、茶:アース線、青:ホーン制御線、橙:ハザード制御線)を専用ハーネスキットのメインハーネスと、それぞれ配線色を合わせて接続してください。ギボシ端子はしっかりと勘合させてください。

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メインハーネスの反対側にクイックホーンモジュールとサンクスブリンカーモジュールを配線色を合わせて接続し、モジュールにmaniacs 4D Console Decorative Switch for Golf7からの配線を接続し、動作テストを行なってください。動作がOKでしたら、メインハーネスとモジュール本体を綺麗に収納して装着完了です。メインハーネスは上中写真のように助手席足下のカーペットの先端を少しめくって、その奥に収容します。maniacsで作業を行なう場合は原則的に念のため車両配線に包縛して固定しますが、通常はカーペットの向こう側に落とし込むだけで十分に綺麗に納まります。あとは、開いたカバー類を全て閉めて完成となります。