工房長です。Audi用パドルProgressの完成が間近ですが「Golf7用はまだでしょうか」というお問い合わせをたくさん頂戴しております。当初の、今年夏ごろ完成の予定からは大幅に遅れてしまったのですが、じつはGolf7用も並行して開発に着手しております。



この種の商品開発は、最初からCAD上でデザイン検討を行う方法が現在は主流になっていますが、maniacsでは今回もクレイモックアップからスタートしました。ステッカーのような二次元デザインは「白紙にゼロから創作する」という作業ですが、三次元デザインの場合は「何もない空間にゼロから創作する」ことになります。スケッチで描けるのは本当の粗案までです。アイディアを練って形を具体化していく作業は、まさにクレイを削りながら同時並行的に考えるのが、発想が活性化します。


クレイモックアップは、操作部と装着部を別々に作ってから両者を合体させて全体を作ります。最初は現在のGolf5,6系用のようなソリッドな形状を作ってみて、次にはAudi用のようなウィング状の形状を作ってみましたが、どうにも纏まりません。うまく行かないときは気持ちもテンパっていて途中の写真も撮ってないのですが、クレイを作っては壊し、そこまでで20時間くらい費やしました。


ここは一から出直す必要があると思い、クレイだらけの手を綺麗に洗って、もう一度Golf7GTIのコックピットに座ること1時間。穴の空いた枠状のデザインを発想して、今度は大胆にも装着部に直接クレイを盛り付けて操作部を作っていきます。こんなプレッツェルみたいな形が製品デザインになるのか、工房長自身も不安混じりです。



クレイは練って固めて、それから削って形を作るのですが、削るときはクレイが十分に乾燥して固まっている必要があります。盛り付けるときに一気に分厚く作ってしまうと、いつまでも固まらずに削れないので、極薄く貼り重ねてドライヤーで強制乾燥させてはまた重ねるという作業を繰り返し、ミルフィーユのような構造に作っていきます。ミルフィーユで作ったプレッツェル、パドルエクステンションと言うには程遠く、完成は遥か彼方という感じです。



そのプレッツェルを元に削ったり、また盛り足したりを繰り返しながらデザインを作り込んでいきます。「削り」の作業は、ナイフと、金ヤスリと、紙ヤスリを使い分けます。ある時は大胆に、ある時は慎重に、といった感じでイメージを形にしていきます。紆余曲折の途中経過を写真の残しておけば良かったと、あとで思いましたが、そのときは集中していたので、この写真は一気にシーンが飛んで正味作業で35時間後くらい、すでに90%くらいまで完成して最終地点が見えてきたところです。



そしてこれがクレイモックアップの完成形。ステアリングのスポークの形状と絶妙にマッチし、Golf7の車両イメージにしっくり馴染むデザインができたと思います。コックピット全体の統一感を乱さず、むしろ高めるようなパーツを目指します。真っ白のクレイモックアップでは、写真をご覧になってもまだちょっとイメージ湧きにくいかと思いますが、これで概略の形状が決まりましたので、これをベースに、あとは面の張りを調整したり、分割ラインを検討し、細部のデザインをブラッシュアップしていきます。
おそらく、maniacsのGolf7用パドルエクステンションは、Golf5,6系用の形状を踏襲して装着部を変更したものか、あるいは開発中のAudli用の形状が次世代の標準になるのかと予測した方も多いと思います(業界でもそんな雰囲気)。しかしやはり突き詰めていくとAudi用はAudi用、Golf7用はGolf7用ならではのカッコ良さというのがあり、類似にはなりようがありません。Golf7用のクレイモックアップ、印象は如何でしょうか。まだまだ0次案レベルですが、この先にご期待ください。(つづく)



この種の商品開発は、最初からCAD上でデザイン検討を行う方法が現在は主流になっていますが、maniacsでは今回もクレイモックアップからスタートしました。ステッカーのような二次元デザインは「白紙にゼロから創作する」という作業ですが、三次元デザインの場合は「何もない空間にゼロから創作する」ことになります。スケッチで描けるのは本当の粗案までです。アイディアを練って形を具体化していく作業は、まさにクレイを削りながら同時並行的に考えるのが、発想が活性化します。


クレイモックアップは、操作部と装着部を別々に作ってから両者を合体させて全体を作ります。最初は現在のGolf5,6系用のようなソリッドな形状を作ってみて、次にはAudi用のようなウィング状の形状を作ってみましたが、どうにも纏まりません。うまく行かないときは気持ちもテンパっていて途中の写真も撮ってないのですが、クレイを作っては壊し、そこまでで20時間くらい費やしました。


ここは一から出直す必要があると思い、クレイだらけの手を綺麗に洗って、もう一度Golf7GTIのコックピットに座ること1時間。穴の空いた枠状のデザインを発想して、今度は大胆にも装着部に直接クレイを盛り付けて操作部を作っていきます。こんなプレッツェルみたいな形が製品デザインになるのか、工房長自身も不安混じりです。



クレイは練って固めて、それから削って形を作るのですが、削るときはクレイが十分に乾燥して固まっている必要があります。盛り付けるときに一気に分厚く作ってしまうと、いつまでも固まらずに削れないので、極薄く貼り重ねてドライヤーで強制乾燥させてはまた重ねるという作業を繰り返し、ミルフィーユのような構造に作っていきます。ミルフィーユで作ったプレッツェル、パドルエクステンションと言うには程遠く、完成は遥か彼方という感じです。



そのプレッツェルを元に削ったり、また盛り足したりを繰り返しながらデザインを作り込んでいきます。「削り」の作業は、ナイフと、金ヤスリと、紙ヤスリを使い分けます。ある時は大胆に、ある時は慎重に、といった感じでイメージを形にしていきます。紆余曲折の途中経過を写真の残しておけば良かったと、あとで思いましたが、そのときは集中していたので、この写真は一気にシーンが飛んで正味作業で35時間後くらい、すでに90%くらいまで完成して最終地点が見えてきたところです。



そしてこれがクレイモックアップの完成形。ステアリングのスポークの形状と絶妙にマッチし、Golf7の車両イメージにしっくり馴染むデザインができたと思います。コックピット全体の統一感を乱さず、むしろ高めるようなパーツを目指します。真っ白のクレイモックアップでは、写真をご覧になってもまだちょっとイメージ湧きにくいかと思いますが、これで概略の形状が決まりましたので、これをベースに、あとは面の張りを調整したり、分割ラインを検討し、細部のデザインをブラッシュアップしていきます。
おそらく、maniacsのGolf7用パドルエクステンションは、Golf5,6系用の形状を踏襲して装着部を変更したものか、あるいは開発中のAudli用の形状が次世代の標準になるのかと予測した方も多いと思います(業界でもそんな雰囲気)。しかしやはり突き詰めていくとAudi用はAudi用、Golf7用はGolf7用ならではのカッコ良さというのがあり、類似にはなりようがありません。Golf7用のクレイモックアップ、印象は如何でしょうか。まだまだ0次案レベルですが、この先にご期待ください。(つづく)