工房長です。ライセンスランプ用LEDには、LED基板上の全てのキャンセラー回路を搭載した一体型のタイプと、キャンセラー回路の一部(=補助回路)を配線上に接続するキットタイプの、大きく2つのタイプがあります。装着の容易性の観点から、maniacsでは一体型タイプが適用できる場合には一体型タイプを推奨し、一体型の適合商品がない場合にはキットタイプを推奨しています。近年、車両の球切れ警告機能が強化されるに伴って、キットタイプの適用が増えています。

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キットタイプで、外部抵抗や外部キャンセラー等の補助回路を、車両のライセンスバルブの配線に接続する方法をご説明します。maniacsでは車種別に専用のキットタイプのLEDをご用意しておりますが、maniacsで販売しているキットタイプは全て補助回路を灯体と並列に接続する方式ですので、接続方法は同じです。

左側LED拡大 (1)接続は、上図および左写真のように、補助回路の配線2本をそれぞれライセンスランプの配線にエレクトロタップで接続します。補助回路の種類によって、極性を気にしなくても良い場合と、極性指定のある場合があります。金色のメタルクラッド抵抗は極性がありません。黒い保護カバーに覆われた抵抗基板は極性があります。極性のある商品には取扱説明書が添付しますのでそれに従ってください。

図示および写真の、赤い四角のコネクタは、エレクトロタップと言います。エレクトロタップの具体的な取扱いについて、ご質問を頂戴することがありますので、以下にご説明いたします。エレクトロタップは、配線の被覆を向かずに噛み込ませるだけで接続が確保されるタップコネクタです。これは圧接と言われる技術で、配線の種類とエレクトロタップの組み合わせが適切であれば、確実な接続が確保されます。

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ライセンスランプの配線のように、配線が布テープ等で保護されている場合は、接続前に配線に前処理が必要になります。配線を保護している布テープを部分的にハサミ等でカットして除去し、配線自体の被覆を露出させます。布テープをカットする際に配線を傷つけないよう注意してください。配線の被覆は4〜5cm程度の長さが見えるようにしてください。写真では、黒い配線を車両のライセンスランプの配線に見立てています。被覆の表面に粘着剤が残っている場合は、シリコンオフ等で清浄にしてください。

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エレクトロタップの接続は、配線の被覆を剥かずにそのまま噛み込ませます。圧接は配線被覆の弾力によって接続を行う技術ですので、被覆を剥いてしまうと接続信頼性が確保されません(剥いてから噛ませた方が良いという誤解が稀にありますが、剥いてしまうと逆に接触不良の原因になります)。被覆は剥かずに、そのまま噛ませてください。エレクトロタップの金属端子の溝のところに、接続する配線をあてがって、カバーを被せて、手指で軽く押えて、プライヤー等で強く握ってカチリとロックさせます。

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以上で、接続は完了です。完了すると左写真のようになります。黒い線が車両のライセンスランプの配線を模しており、赤い線が補助回路(抵抗等)の配線です。なお、エレクトロタップを閉め込む際の工具は、写真右の小型のウォーターポンププライヤー、または写真真ん中のプライヤーが適しています。写真左のラジオペンチ等を使用する場合は、力が不足する場合がありますので、とくにしっかりと力を掛けてエレクトロタップのカバーが完全に閉じてロックされるまで押し付けてください。

接続が完了し、試験点灯の際に補助回路に電流が流れているかどうかを確認したい場合は、点灯状態で補助回路(金色のメタルクラッド抵抗本体、または黒い保護カバーの抵抗回路本体)に軽く触れて、温度が上昇していることを確認してください。強く長時間振れると火傷する可能性がありますので、確認の際は短時間軽く触れるようにしてください。

補助回路は、裏面に粘着材の付属しているタイプは、ライセンスランプ用の角穴の内側の近傍、ボデイまたはバンパー等の内側面に貼ってください。メタルクラッド抵抗は角穴の内側の空間に遊ばせておくようにしてください。とくに固定する必要はありません。固定する場合は、抵抗の放熱を阻害するような固定方法は避けて、接着剤等で一面をボディ内側に固定するのであれば問題ありません。

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ここからは、作業方法の説明ではありません。タップコネクタの圧接により、接続が確実に行われるか不安に感じられるケースがありますので、その構造を簡単に説明します。左写真はコネクタを開いた状態で、このように溝状の金属端子が、配線の被覆を破るようにして噛みこんでいます。配線を引っ張って外すと右写真のようになっています。この、導体の露出した部分で接続が確保されています。

エレクトロタップは、このように開いてしまうと原則的に再利用できません。これは説明のために開いて撮影をしているだけですので、実際には開いて見ないでください。また、エレクトロタップを外した場合、配線の被覆の一部が写真のように傷ついていますので、その部分を絶縁テープ(ビニールテープ等)で保護してください。配線の同一箇所にエレクトロタップで再接続することも、原則的にできません。(エレクトロタップそのものについての詳細は、また機会があればご紹介します)