PVV-972401:PIVOT マルチゲージXV(Blue)
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工房長です。1/16(土)の取付作業、まだまだ続いてレポートします。午後3台目のお客さまは、Tiguan Sports&Style(2009)です。内外装のLED化、ペダル類、スイッチ類とカスタマイズを楽しまれており、今回はPivotマルチゲージXVの装着です。オーナー様のご希望で、運転席右側のエアコンダクトに埋め込む形での装着を行います。始めに、オーナー様に運転席に座っていただき、メーターを装着した場合のウィンドウガラスへの映り込みをハンディ照明でシミュレートしました。そして、上段の吹き出し口に取り付けることに決定。

相当の作業量が予想されるので、2時間枠での対応です。まずは、エアコン吹き出し口をユニットごと取り外します。4箇所の金属クリップで止まっているだけですので、リムーバブルツールで慎重に手前に引けば外れます。取り外した吹き出し口のユニットを、前面の化粧板と、内部のダクト、ルーバーにそれぞれ分解します。埋め込む方法は2通り考えられ、ルーバーの化粧リングを残してメーターを完全に内部に埋め込む方法と、ルーバーの化粧リングを取り外してメーターのフード部分を少し突き出させる方法です。

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今回は、メーターをドライバー側に少し傾けて設置したいというオーナー様のご希望を叶えるため、メーターのフード部分を少し突き出させる装着方法を選択しました。ティグアンのこの部分の吹き出し口は、実は少しサイドウィンドウ方向に傾斜しています。なので、吹き出し口に対してメーターを真っ直ぐに装着してしまうと、メーターはややサイドウィンドウの方向を向いてしまうのです。ですので、オーナー様が「ドライバーの方に少し傾けたい」と仰るお気持ちは良く分かります。何とか実現すべく、頭を絞り、技術を尽くすことにします。

まずは、吹き出し口前面の化粧板を削って、丸穴を少しだけ広げます。この穴の直径は、Pivotマルチゲージのフードの直径とほぼ同じ寸法なのですが、少しだけ小さいので削らないとメーターフードを突き出させることができません。メーターフードの円筒部分は実は完全な円筒ではなくて微妙にテーパー(成型上の抜きテーパー:先端部より根本の方が少しだけ直径が太い)がついているので、メーターフードの先端だけが顔を出して、それでいて全部がすっぽ抜けない微妙な穴の大きさに削ります。しかも、メーターを傾けて装着するために、微妙に楕円に削る必要があります。なにげにバリバリ削っていますが、かなり微妙な精度です。

次に、ダクト部分から上段のルーバーを取り外し、メーターの後部と干渉する部分を削り取っていきます。ニッパーで余分を切り取り、エアリューターで内径を広げていきます。ここも、真っ直ぐの穴に対してメーターが斜めに刺さってくるので、その傾きを計算に入れて肉を取っていく必要があります。真っずぐ差し込むよりも、数段ハイレベルな感じです。メーターを接着固定するのであれば比較的簡単なのですが、接着してしまうと万一の故障の際に修理も保証も効かなくなるので、接着しないで固定できるように、後のことまでを考えて削ります。

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バリバリとかなり荒っぽい作業です(笑)。削る音も凄いし、破片や削りカスが飛び散ります。オーナー様の見ている前でやっているので、このあまりの荒っぽさに流石に少し不安なご様子。破片がオーナー様の方に飛んだりして「あっ、すいません」とか言いながら、それでも容赦なくバリバリ削ります。前面の化粧板との関係も気を付けないといけません。メーターを填める際に芯がずれたら、化粧板とダクトのそれぞれ単独にはメーターが填っても、両者が組み合わなくなってしまうからです。荒っぽいようで、実はかなり微妙な精度の作業なのです。

後半はフィッティングを行いながら、微妙な調整を繰り返し、最後の方は仮組立をしてみては、調整をするという作業で詰めていきます。接着しないで填め込むことを狙っているので、削りすぎたら一巻の終わりです、失敗は許されません。そして、最終的な仮組立。イイ感じで填りました。ほとんど何の固定も要らないくらいに、しっくり納まっています。そして、オーナー様のご希望のように、メーターは微妙にドライバー側に傾いた状態に装着できました。

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傾き加減を真上から見るとこんな感じ。これ以上傾けるとダッシュボードのインナーパーツに干渉してしまう恐れがあるので、この辺が限界です。外観的にもこのくらいの傾きがイイところだと思います。ちょっと途中の写真がないのですが、エアコンダクトの機能も完全に残しました。つまり、下側の吹き出し口はそのまま使えますし、開閉機能(左の縦型のダイアル)もそのまま生きています。これらを活かしたまま残すように削るのに、かなり気を遣いましたが、全く何の支障もなく残せたのは、我ながらちょっとウマ過ぎるくらいです。

加工の完成したパーツを車輌に取り付けます。取付は、元と同じように差し込んで填めるだけです。吹き出し口へのメーターの固定は、後ろ側に抜け止めのテープを貼っただけで、かなりしっかりと固定できました。押して引っ込むことも、引いて抜けてくることもありません。先にメーターへの配線をつないでから吹き出し口に固定する手順の方が確実なので、配線を近くまで引き出しておいて、その場で配線をつなぎ込みながら組み立てて、装着します。接着の必要がないので、その場の作業でスムーズに組み立てができます。これなら何かあっても簡単にバラせます。

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装着が完了して、こんな感じです。最初からそうだったみたいです。あたかも純正のよう仕上がり。真ん中の写真は、フロントウィンドウ越しに撮影したものです。ちょっと写りが良くないですが、メーターがドライバーの方に向くように微妙に傾いているのが良くわかります。右写真のようにアップにしても、違和感はありません。こうなるべくして、こうなっている感じですね(笑)。下側の吹き出し口は健在で、開閉ダイヤルもそのまま生きていますので、機能的にも問題ないです。ご希望どおりの装着が実現できたと思います。

下にもう何カットか写真を掲載しておきます。車に乗り込むときの、斜めからの角度で見ても素敵ですね。周囲が暗くなって、イルミネーションを点けた状態も、ブルーのコーディネートが素敵な感じです。メーターフードのメッキの質感と、下段の吹き出し口の化粧リングのメッキもマッチしていますね。ちょっと出来過ぎの感じです(笑)。オーナー様にも、とてもご満足いただけましたので、頑張った甲斐がありました。良かったです。

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右の写真は、オーナー様から送ってもらったものです。夜間のドライバーの目線からの写真で、ウィンドウへの映り込みを確認されたものです。映り込みはありますが、もともとのスピードメーターやウィンドウスイッチと比較して大差なく、ミラーの位置に被らないので、運転には全く支障ないとのことです。フロントウィンドウへの映り込みも、ほぼピラー近くのかなり側方ですので、こちらも問題なさそうです。

工房長もこの作業は初めてで、ある意味ぶっつけ本番だったので緊張しましたが、うまく納まってホッとしました。お客さまのご理解があって初めてなし得た仕事だと本当に思いました。大げさに言えば「万が一吹き出し口が壊れちゃっても、その時はその時です」的に仰っていただいたからこそ、傾斜装着のような難しいチャレンジができたのだと思います。・・・そして、この日の作業はまだまだ続きます(爆)。このお車が7台目、あと3台の入庫がありました。夜の部のレポートは、また追って。

注:TiguanにPivotマルチゲージXVを装着した場合、MY2009では油温計モードは動作しません。ブースト計と水温系の機能になります。MY2010以降は動作する可能性がありますが未確認です。

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