エンジンカバー脱着01工房長です。GOLF5GTI/GTX(EOS2.0/GOLFヴァリアント2.0も同様です)のエンジンは、エンジンヘッドカバーの上にエアクリーナーボックス兼エンジンカバーが覆い被さるように配置されています。エアクリーナーエレメントの交換や、プラグの点検、そしてmaniacsから新しく発売されたアーシングの取り付けの際にも、このエンジンカバーを一旦取り外す必要があります。

エンジンカバー脱着02エンジンカバーは、エアクリーナーボックスと一体構造で、この全体を丸ごと取り外しますので、そこに繋がっているダクトや配線は先に抜いておきます。まず、写真の吸気側ダクトの止め輪をプライヤーでつまんで輪を広げ、この輪を写真の上の方にずらします。



エンジンカバー脱着03止め輪をずらしたら、ダクトを抜きます。このダクトは比較的簡単に抜けますが、抜く際に結果的にダクトの蛇腹部分を縮める感じになりますので、その反発力がかかります。グイと力を入れてダクトを抜いたら、写真のように蛇腹部分から下に曲げて、エアクリーナーボックスの吸気口よりも下側にズラし込みます。


エンジンカバー脱着04次に運転席側のエアフロセンサー電気コネクタを抜きます。写真の人差し指の位置がコネクタのロックボタンになっていますので、これをつまんでロックを解除しながらコネクタを引き抜いてください。写真のように完全に抜き取りますが、勢い余って線を引っ張ってしまわないように注意して慎重に抜きます。


エンジンカバー脱着05次に、クリーナーボックスから出た空気をエンジンに供給する側のダクトを抜くため、ロックのバネを解除します。ダクトは運転席近くにあり、ロックのステンレスバネは、写真の位置と、その真裏にもう一カ所あるので、両方とも外してください。手でパチンと外れます。外れても脱落しないようになっていますので、安心して外せます。


エンジンカバー脱着06ロックを外したら、このダクトを抜きますが、Oリングのパッキンがきつめですので、少し力がいるかもしれません。真っ直ぐに引っ張っただけでは抜けない場合が多いですので、あまりこじり過ぎないように気を付けながらも、少しづつこじって、じわじわと慎重に抜いてください。



エンジンカバー脱着07これで、エアクリーナーボックス兼エンジンカバーに接続されているものは、全て抜きましたので、いよいよ本体を外します。本体の外し方は、全体を上に引っ張り上げるだけなのですが、とにかく力が要るのと、力の方向も少しコツが要ります。写真の位置を両手で持って、真上方向か、真上よりもやや手前方向にグイッと引っ張ってください。生半可な力では抜けない場合が多いです。

エンジンカバー脱着08どうしても抜けない場合は、4カ所ある留め具を1カ所づつ抜くイメージで、写真のようにまずは左前の一カ所に狙いを定めて引き抜いてください。それから右前、後ろの2カ所という順番で抜いていきます。力の方向など、多少のコツもありますが、とにかく相当の力が必要と覚悟する必要があります。腰を痛めないように気を付けてください。


エンジンカバー脱着09前2カ所が外れればしめたもので、後ろの2カ所は比較的スムーズに外れると思います。外れると、写真のようにカバー全体がエアクリーナーボックスごと、上方に外れます。外れたときには、かなり達成感があると思います。そのくらい固いです。



エンジンカバー脱着10これが完全に外した状態。エンジンが見えるようになりますので、プラグの点検やアーシングの取り付けが行えます。エアクリーナーエレメントは、外したカバーの方に内蔵されています。エレメントの交換は、また別の機会に説明します。



エンジンカバー脱着11これが、さんざん手こずらされた留め具の正体(爆)。写真の赤丸4カ所に突起があり、そこに填っているだけです。外れてしまえば、あっけないほど単純な構造です。この位置に留め具があって、刺さっているだけだと理解して、確信を持って引っ張ることが、最大のコツかもしれません。


エンジンカバー脱着12これがエアクリーナーボックス兼エンジンカバーの裏側です。エンジン側の突起に填っていたのは、単純な丸いゴムの部品です。取り付けは取り外しの逆の順序でOKです。後ろ2カ所を押し込んで、ついで前2カ所を填めて完了です。填めやすさと、次回の外し易さを考えて、留め具のゴム部分にシリコングリス(シリコングリスはゴムや樹脂を侵しません)を塗布してから押し込めば完璧です。

ゴルフは、4までは簡単にエンジンカバーが外れたのですが、5は止め構造が単純になった分だけ作業が少し難しくなってしまいました。しかし、エンジンカバーを外すのは種々のメンテの基本なので、自分で外せるようになっておくと、便利です。ご興味の方は、是非一度やってみてください。