maniacs 工房長 大谷です。去る5月に、クーラントホースの強化ジョイントアダプターを開発中!という記事を掲載しましたが、その続報です。結論から申しますと、試作1回目は失敗作となり、設計変更を行って現在2回目の試作中です。

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失敗談ですので、つまり恥ずかしい話なわけですが、このさい全部書きます(苦笑)。右は純正のジョイントアダプターで、強化プラスチック製の一体構造。これが熱で劣化しやすく、ターボの直上部にあるためにクラックが入ってクーラント漏れを起こし易いという代物です。そーっと使っている分には大丈夫でも、脱着とかするとほぼ確実に折れます。つまり、多くの車両はこの部品が非常に脆くなっています。

左の2つが今回の試作品で、写真のとおり金属製です。黒いフランジ部分も鋼製です。評価用の試作ですので、円筒部分は2種類の材質、2種類の寸法で作っています。出来映えはご覧のように素晴らしく、こんなところのジョイントアダプターがカッコ良くても意味ないですけど、正直かなりカッコ良いと思います。耐熱性や、機械的強度も十分だろうと思うのですが、今回その実車評価にまで辿りつけませんでした(とほほ)。

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何がイケなかったか。プラスチック製の部品を金属製に置き換える場合、その方法はいくつかあります。数千〜数万個作るつもりがあるなら、ダイキャスト製が適当です。しかし、今回の場合、世の中の全ての2.0TSI(TFSI)エンジンに対策するわけではないですし、製造数はせいぜい数百個程度と見込んでいますので、ダイキャストは適しません。

そうすると、残る選択肢は一般的に言って、一体構造でのNC切削か、または円筒部分とフランジ部分に分離して旋削とレーザー板金に分けて作る方法の2通りになります。それぞれで得失や、適する製造数など違いがありますが、今回は、作り易さ、開発製造LT、コスト、設計調整や製造管理の容易性、車両への装着作業性、などなどを考えて後者を選択しました。

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っで、車両への装着確認を行いましたところ、旋削で作った円筒部分が車両の取付部の奥の方向にズボッと落ち込んでしいました。何とも初歩的な設計の失敗です。旋削部品とフランジを何等かの方法で結合すれば良いのですが、万一分離したら面倒なことになるので接着等では駄目です。Eリング等で外れないよう確実に固定する必要があります。それって、2部品に分割して製造することのメリットの大半を帳消しにしてしまうわけです。

ズボッと入ってしまった衝撃のシーンは、ちょっと衝撃的すぎて写真を撮り忘れました。失敗の原因は、開発の最初の段階で車両側(エンジンヘッド)との接続部を分解して、ノーマルのジョイントアダプターを取り外した状態の車両側を十分に確認しなかったことです。つまり、横着しました。横着すると後で痛い目に遭うという典型で、お恥ずかしい限りです。部品側の形状だけ見て「嵌り込みの奥はドン突きだろう」と勝手に思い込んだのが大間違いでした。反省しきり。

っというわけで、固定位置決めの考え方から変更して再設計し、再試作中です。まぁ、この部品はノーマルでもそーっと使っていれば(ターボがちんちんに熱くならないような運転)3〜5年くらいは大丈夫な場合が殆どですし、すでに壊れちゃった場合も、純正のプラスチック製の新品に交換してまた3〜5年くらいは大丈夫な状態に復旧していると思いますので、焦眉の急で多数の需要があるわけではないです。進捗しましたら、また開発記の続きをアップしますので、気になっている方はもう少々お待ちくささい。今回は、失敗談でした。