maniacs 工房長 大谷です。先日お客様からメールで掲題のお問い合わせをいただきました。じつは類似のお問い合わせは、わりと多くあります。DTEとPPTはいずれもエンジン特性を改善する商品なので、違いが分かり難い面があります。商品箱のデザインも少し似ています。では、ご質問に回答します。

まず、DTE(ブースタープロ)とPPT(アクセルペダルコントロール)は、目的も効能も異なる、全く別の商品です。それぞれ単独での装着もできますし、併用も可能です。

maniacs_DTE&PPT













ざっくり申しますと、DTEはエンジンの最大トルク、最大出力をアップさせる商品です。よって、処方としては、「アクセルを深く踏んでも力感(トルク)が足りない、加速(パワー)が弱い」という場合に、DTEが適用となります。

PPTは、アクセルペダルの踏み始め(浅い踏み込みの部分)のエンジンの反応度合を変えます。よって、処方としては、「アクセルの最初の反応が鈍い」または「アクセルに不自然さやギクシャク感がある」という場合に、PPTが適用となります。

では、以下に少し詳しく説明していきます。

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DTEは、ターボの「最大ブースト圧を上げる」ことで、エンジンのトルクをアップさせ、パワーもアップします。よって車両の最大加速性能が向上します。DTEは、アクセルが微開の領域では殆ど効かず、1/4〜1/3開くらいのところでも効きは穏やかです。アクセル開度1/2以上くらいまで踏んだ際に、トルクがグッと太くなってくるのが感じられ、全開や、全開で中高回転まで回した際には明確なパワーアップが実感できます。

車両のECUはブースト圧をセンサで監視していて、規定の最大ブースト圧になるとそれ以上ブースト圧が上昇しないように制限しています。DTEは、ものすごく簡単化して言うと、そのブースト圧センサの値をECUに伝える配線の途中に介入し、ブースト圧を実際よりも小さいかのように伝えることで、ECUを騙して、本来の規定の最大値よりも少し高い値まで制限が掛らないようにしています。

街中など日頃はアクセル1/3開以下で走ることが多いと思いますが「街中を普通に走るにはさほど不満がないけど、高速道路の追い越しなどでいざ本気で加速しようとしたときに、期待しているよりも意外と遅い」ということがダウンサイジングターボではわりと良く起こります。そのようなご不満をお感じの方にはDTEがお奨めです。もちろん、速い車をもっと速くする目的にも有効です。DTEのコントローラーの装着位置は、エンジンルーム内です。設定を切り替える際は、ボンネットフードを開いて、本体のボタンを操作して、効き具合を6段階に調整できます。

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PPTは、アクセルペダル操作に対する「スロットルの反応度合」を変化させます。これもものすごく簡単化して言うと、アクセルペダルを少しだけ踏んだ際に、たくさん踏まれたかのようにスロットルを大き目に開かせたり、逆にアクセルペダルを踏んでも、少ししか踏まれていないかのようにスロットルを少ししか開かせない、というペダル操作に対するスロットルの反応のレートを変えます。反応を鋭くする方向に調整すると、感覚的には出足がキビキビして、車が速くなったように感じます。

もう少し詳述すると、現代の車のスロットル開度は、アクセルペダルの踏み込み量だけで決まるのではなく、車速、エンジン回転数、どのギアに入っているか、エンジン負荷など、多次元の複雑なマップによってECUがスロットル開度を判断しています。その多次元の入力情報のうち、PPTはアクセルペダルの踏み込み量をECUに伝える配線の途中に介入します。単純にアクセル踏み込み「量」だけを見ているのでなく、その「変化率」も見てドライバーの意図を読み取り、高度な演算処理により適切な補正を行うので、ギクシャク感の少ない自然なアクセルレスポンスが得られます。

PPTはエンジンそのものには介入していないので、エンジンの最大出力は変化しません。アクセルペダルを一杯まで踏んだ場合は、ノーマルでもPPT装着でもスロットルは全開になります。PPTはその過程をアジャストすることでドライバビリティを向上させます。PPTのコントローラーは、室内の運転席周りのお好みの位置に装着します。設定の変更は運転席に座ったまま操作が可能です。反応を鋭くする方向だけでなく、鈍くする方向にも調整できるので、アクセルの踏み始めの反応に物足りなさや、不自然さを感じている方や、ドライバビリティを自分好みに調整したい方にお奨めです。

DTE、PPTの商品ページ

もちろん、両方を同時に装着することもできます。その場合は、アクセルの踏み始めの反応と、踏み込んだときの力強さの、両方が総合的に改善されます。走行性能、走行感覚を、ドライバーの好みやドライビングスタイルに合わせて、ぴったりセッティングができます。maniacsでは通販での発送も、maniacsSTADIUMでの装着も、いずれも可能です。愛車のエンジン特性を向上したいとお考えの方、これらの商品でドライバビリティをグレードアップしてみませんか。



付記(以下は、マニアックな解説がお好きな方だけお読みください):
過日Youtube動画で「DTEは低速トルクの弱い車にもバランスよく効きます」というご説明をしたところ、やや誤解を生じた面があったようで、Audi A1 1.0TFSIエンジンにDTEを装着されたお客様から星2つの評価を頂戴しました。「回転を3500位に上げないと違いが分からない、通常運転だと効果は感じ難い」というコメントに対し、補足します。

DTEは上記のとおり、基本的には最大トルク付近で効く商品です。多くのブーストアップ系のサブコン商品と基本は同じです。DTEが従来のサブコン商品に比較して優れている点は、低回転のトルクの弱いエンジンにおいて、最大トルク付近「だけが」アップしてバランスを崩して乗り難くなることがなく、最大トルク付近を「含めた全体」がバランスよくトルクアップして、低回転から高回転までの繋がりが良いことです。主眼は、やはり最大トルク、最大出力です。

1.0TFSI(TSI)等のエンジンは、もともと低回転トルクは十分に強いです。またA1等の軽量車種は負荷が軽いので、そもそもターボのブースト(過給圧)が上がる場面が少ない傾向です。これはターボエンジンの基本的な特性なので、DTEがブーストの「上限」を引き上げても、負荷に対して十分な低回転トルクがそれ以上に増える効果は少な目です。もちろん多少は効いていますが、その差分を感じ取るかどうかはドライバーの感覚にもよります。登坂や積載等で負荷が増してトルクの必要性が高まったときには、DTEは低回転から十分に効きます。

A1_1.0TFSI等で、通常時はむしろ中〜高回転にかけての「抑揚のなさ」または「先細り感」のような不満が生じ易いです。DTEは、最大トルク〜最大出力の付近に良く効き、トルクの盛り上がり感やパワー感が改善され、出力特性のバランスが整う方向に効きますので、装着はお奨めです。逆にもし仮に1.0TFSIで低回転のトルクが更に強調された場合、先細り感が強調されてしまい、かえって乗りづらく、つまらないものになるはずです。DTEは各エンジンの弱点部分に効いて、出力バランス(トルクカーブ)を整える方向に作用するとも言えます。優れた商品です。

なお、もしゼロ発進の出足を鋭くしたいのであれば、上記説明のとおりDTEよりもPPTが非常に有効です。