maniacs 工房長 大谷です。ありそうでなかったマニアックな商品を新発売しました。っと言うか、じつはこれ、工房長自身が自分の車Audi A3(8V)で使いたい目的で造ったものです。そういう商品が世の中にないか、ずいぶん探したのですが、どこにも無かったので造ってしまいました。我慢できなかったと申しますか(笑)。っで、自分で設計して、作って装着して、満足して終了でも良かったのですが、せっかくなので商品化した次第です。

どういう商品かと言うと、フロントの車高を微妙に「上げる」ためのものです。ローダウンスプリングを装着して、それでフロントの車高が下がり過ぎたから微妙に上げたいと。そんな細かいことを言うなら最初から車高調を使えば良いのですが、工房長はへそ曲がりなので、ローダウンスプリングと純正形状のショックを組み合わせて、なおかつ何とか工夫して車高をミリ単位で希望通りに合わせる、と言う作り込みを、じつはGolf4のときからやっています(笑)。

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世間でローダウンスプリングに求めるものは、車高がしっかり下がることです。「みんから」等でも下がり足りないご不満は多く見かけますが、下がり過ぎのご不満はレアです。なのでスプリングの商品の傾向も、どうしても「下げ足りないよりは、しっかり下がるように」という方向になりがちです。maniacsでは車高をベタベタに下げるのを積極的に推奨はしてないので、maniacsでレギュラー扱いのスプリングのブランドは、比較的ローダウン量が少な目で、バランスが良く、品の良い仕上がりになる商品です。

しかしそれでも、車両個体とのマッチングの関係もあったりして、例えばアイバッハでは結果的にフロントが少し下がり過ぎてしまうケースがあります。僅かのことなので「だいたいこんな感じ」という仕上がりでご満足いただけることが多いですが、気になる方は気になります。上掲の写真は、BeforとAfterの違いがパッと見ほとんどわからないですが、しかしオーナーとしては、下がり過ぎが一旦気になりだすと車を見るたびに気に掛り、チクチクと心にささった小さな刺のようになります。なんでそんな気持ちのことまで分かるかと言うと、自分のことだからです(笑)。

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本来ローダウンスプリングは、ミリ単位で拘るような商品特性ではないですし、上記のとおりしっかり下がった方が喜ばれるのが世間の大勢なのですが(ベッタリ下げてホイールやエクステリアをトータルで作り込めば、それはそれでとてもカッコ良いです)、maniacsのお客様層は、みんからで国産車等をローダウンされている方々の平均値とは少し異なっています。「さりげない感じのローダウン」「品良くまとめたい」「実用性を損ねたくない」という方向のご要望をmaniacsでは多く頂きます。

「僅かだけど下がり過ぎを何とかしたい」というご要望があるとすれば、それはきっと工房長と同じように切実なご要望に違いありません。この車高調整シムを装着して、他人が一目見てすぐ分かるほどの違いは出ませんが、オーナー様の実施満足度は非常に高いと思います。写真でも、良く見れば確かに違います。好みは人それぞれですが、右の写真の方がシャキッとして品が良いという感覚が分かりますでしょうか。これでチクチクと心にささった刺は、綺麗に解消されます。それって、幸せなカーライフのためには、とても重要なことです。

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フロントが下がり過ぎる要因は、ローダウンスプリングのマッチングの結果だけではなく、FF車はフロントヘビーなため、経時的にフロントが下がってしまうケースもあります。この車高調整シムは、工房長自身が、自分用に完全に納得いくように造たので(笑)、そこまでやるかと言うくらい、厚みを2mm、4.5mm、6.5mm、9mm、11mm、13.5mm、15.5mm、と2mmないし2.5mm刻みで選べるようにしてあります。販売面では非効率の極みですが、車高調の1ターン分くらいの刻みで選べるので、本当に好みにピッタリにできます。

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車高調整シムは、乗り味も改善するので、その点ちょっとマニアックな話も書いてみます。ローダウンスプリングを装着して、フロントの腰砕け感が気になっている方には朗報になります。

ローダウンスプリングの設計というのは、単に下がればOKという方針なら簡単ですが、真面目にやるとじつは結構難しいです。例えば、リアは定員乗車+積載のことも考慮するので、あまり車高を下げられません。たくさん下げるには、その分バネを固くする必要が生じて、ノーマルショック(ダンパー)とのマッチングが悪くなり、極端な乗り心地になってしまいます。なので、多くの真面目なローダウンスプリングは、適度に下げて、適度にバネレートを上げて、という妥協点を探るようにして設計されています。

フロントも同様に、しっかり下げるにはバネレートを上げる(固くする)必要があるのですが、積載等で分担荷重が変化しない分だけは、極端に固くしないでも済みます。つまり、フロントはローダウンしても残りのストロークを有効活用し易く、乗り心地を確保し易いわけですが、結果的にロアアームの対地角度が付き過ぎてしまうことになります。カーブでのロールや、ブレーキでのノーズダイブの絶対量は減っているのに、乗り味は何となくフロントの腰砕け感がある、という状況になりがちです。これは、サスが入り過ぎる(沈み込みすぎる)ことが問題なので車高を少し上げるだけでかなり改善します。

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また車高の下がり過ぎは、実用面でフロントリップを地面に擦り易いという問題も生じます。駐車場の入口段差とか、スロープの斜面の切り替わりとか、商業施設等を利用する際に気を遣う場面が多くなってしまいます。これもフロントの車高を少し上げるだけでかなり緩和されます。例えば、フロントの車高を8mm上げると、リップ先端の地上高は10mmくらい増えます。その10mmで、気を遣う感じが減って運転し易くなります。

この車高調整シムは、経緯としては自分用に作った「ついで」に販売した感じなのですが、それってじつはmaniacsの原点でして、その原点をあらためて思いだした商品でもあります。A3(8V)に6.5mmを装着して非常に具合が良く、maniacsのGolf8に9mmを装着してこれも非常に具合が良く、イイ感じに仕上がっておりますので、ご興味の方はぜひどうぞ。

MQBフロント用 車高調整シム(商品ページ)