maniacs 工房長 大谷です。VW/Audiの車両は、歳月を経ますとルーフライニングの表布が垂れてくる場合があります。車種、年式、使用条件、駐車環境等によりますが、早い場合は7~8年目から部分的な剥がれや縮みが発生し、発生から数年後にはルーフの広範が剥がれて垂れ下がってしまう場合があります。長持ちする車でも15年を過ぎると、どこかしら垂れ始めることが多いです。

普段、車に乗っても天井を見上げる機会は少ないので、剥がれ始めの初期症状は気付き難いですが、改めて見上げるとルームランプ周辺の表布が縮んで隙間になっていたり、凹形状部分から剥がれ初めていたりします。この記事を読んで、余計なことに気付きたくない人は乗車時には上を見ないようにしていただき、早目に気付いて処置検討したい人はこの機会に天井をチェックしてみてください。

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ルームランプ周辺は、多少の縮みでしたらリペアトリムでカバーすることが有効です。車種ごとの専用品でフィッティングが良く、価格もリーズナブルですし、軽度のうちでしたらお勧めします。ただし縮みが進行してギリギリ隠せるくらいの場合は一時凌ぎとなり、また既に縮みが顕著な場合には隠しきれません。剥がれの範囲が大きい場合やルーフ中央付近が垂れている場合もリペアトリムでは対応できません。その場合、我慢して乗れるところまで乗って車両を換えるか、または長く乗り続けるならきちんとリフレッシュするか、早目のご判断をお奨めします。

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ルーフライニングの修理のご依頼はここ数年かなり増えています。最近は月平均で2~3件承っています。ルーフの広範が剥がれて垂れ下がっている場合、ライニングを車両から取り外すと写真のようになっています。ライニングの表布が、かろうじて天井にぶら下がっているような状態は、周囲をピラートリムやアシストグリップ、縁ゴムや内装パネル等で押さえられているだけなので、押さえを外した時点で天井から表布がベロンと剥けてしまうケースも多々あります。

表布が剥がれて垂れ下がるのは、表布と芯材の間にあるスポンジクッションが加水分解して劣化するためで、中はご覧のとおり惨憺たる状況です。加水分解されたスポンジはバラバラのボロボロというだけでなく、ベタベタのネチョネチョで、かなりおぞましいです。取り外しの際はできるだけ車室内を汚さないように慎重に作業しますが、正直、ここまで劣化している場合は、どれだけ気を付けても結局車室内にとっ散らかるので、そのカスは掃除機でクリーニングします。

っというわけで、乗り続けるならルーフが垂れてきた時点で、早目に処置することをお奨めします。

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処置の方法は2通りあり、表布の貼り替えか、ルーフライニングの全交換です。左写真は、上写真のボロボロのルーフライニングを裏向きに伏せた状態です。こちら側の面はぜんぜん無事。表布と芯材の間は無残にボロボロですが芯材そのものはまだまだ使えます。なので、表布の貼り替え、という修理方法が可能なのです。その場合maniacsで車両からの取外し作業を行い、専門の貼り替え業者に依頼し、完了したものをmaniacsで車両に再装着します。

右写真は、純正部品のルーフライニング新品です。今回は全交換のご依頼でしたので、事前に新品を手配しておき、取り外したライニングは芯材ごと全部廃棄して、この新品に交換させていただきました。貼り替えと全交換の違いですが、

【貼り替え】
・布地はもとの純正に近い色と風合いのものを選定します。完全に同じ布ではありませんが、品質レベルは良好で、実用上は遜色ありません。
・ノーマルとあえて違う色を選択することも可能です。ライトグレー系からダーク系、ベージュ系からグレー系など、イメージチェンジも可能です(ルームランプ等のトリムカラーとのマッチングは考慮が必要です)。
・車両から外したルーフライニング芯材に表布の貼り替えを行って車両に再装着するため、お車を5日~10日間程度お預かりする必要があります。
・費用は、車種や状態、使用する布地等にもよりますが、ハッチバック車の脱着工賃込みで11万円~12万円前後(税抜)です。

【全交換】
・ルーフライニングの芯材と表布の全体が新品になります。純正部品ですので布地は原則的に新車時のものと全く同じです(純正部品自体がランニングチェンジされている場合は、新しいタイプの純正布地になります)
・芯材の経年劣化等で、防音防振性能、遮熱性能等が低下している場合も、新車時の性能に復旧できます(ルーフライニング以外の防音効果やきしみ音などは改善しません)。
・新品パーツを手配し入荷してからの作業ですので、お車のお預かりは一泊二日で作業完了できます。(どうしても日帰り作業をご希望の場合は、平日に限りお受けできる場合もありますので、ご相談ください)
・費用は、車種によりますが、ハッチバック車の脱着工賃込みで15万~17万前後(税抜)です。

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また、貼り替え、全交換に共通しますが、脱着の際にはピラーカバーや関係する内装パネルを脱着する必要があります。ルームランプやそのハーネス等も全て脱着または移植します。その際、部品の劣化状況によってはそのまま再利用が不可能な場合もあります。再利用不可と申しますのは、プラスチックの材質そのものが劣化していて必然的に崩壊してしまう等です。10年を超える車両では、そのような状態になっている場合があります。

maniacsではVW/Audiに相当数の施工実績がありますので、車種、年式、状態によって、どの部品にどのような破損リスクがあるか、かなりの程度まで事前に予測できます。要所は慎重に作業して可能なかぎり破損させないように施工するのは勿論ですが、避けられないリスク項目はできるだけお客さまに事前にお知らせし、部品が破損した場合の処置方法(補修または新品交換等)もご希望を伺いながら進めます。極力リーズナブルに補修で済ませる、あるいは費用を掛けても劣化した部品は積極的にリフレッシュ等、お客様の方針に沿って施工できます。

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施工完了後の耐用年数は、純正部品の新品交換の場合は新車時からの耐用と同じと考えて良いです。仮に12年乗って交換されたのなら、また12年イケるということです。貼り替えの場合の耐用は純正部品と同等またはそれ以上です。maniacsの施工でその後10年以上を経過した事例がまだありませんが、国産車のルーフライニング修理と同じ材料品質と修理方法ですので、日本の気候条件にマッチしており国産車並みの耐用と考えて良いと思います。安心してお使いいただけます。

ルーフライニングの表布が剥がれ初めて、何年も我慢して乗ってから処置されるのは、結果的には一番勿体ないので、長く乗られるおつもりの場合は垂れてきた時点で早目の処置をお奨めします。