maniacs 工房長 大谷です。先日販売開始しましたVW/Audi 純正エアバルブ。品物自体は新商品とかでは全然なく、VW/Audi純正部品の中でもレギュラー中のレギュラー、最もコンスタントにかつ必然的に使用される部品です。VW/Audiに新車装着のアルミホイールはほぼこのゴム製エアバルブが装着されています。その、交換用の純正部品(標準部品、新車装着と同じもの)です。

自動車タイヤ用エアバルブには、大雑把に言ってこの「ゴム製のもの」と「それ以外のもの」の2通りがあります。ゴム製エアバルブはTR41*の規格品です。TR412(短い)、TR413(普通)、TR414(長い)は、ホイールの穴径11.5mm用で、首の長さのみが違います。乗用車用としてはこの3種が最も一般的です。後者(ゴム製以外のもの)は、金属製のもの、デザインが施されたもの、L字や角度のついたもの、社外ホイールメーカーの専用品、など様々です。

エアバルブは常時高圧が掛っているパッキン構造なので、タイヤと同様に経年劣化します。ゴム製エアバルブは比較的安価ということもあり、また裏から挿す構造でタイヤを外したときにしか交換できないこともあり、タイヤ交換の際には同時交換するのが原則です。金属製エアバルブもOリングや内部のゴム部品がやはり劣化しますので、高価な凝ったエアバルブを長期間使い続けるよりも、信頼性で言えば安価なゴム製エアバルブをタイヤ交換と同時に毎回新品にするのが良いです。

そのことは、タイヤ業界では概ね共通認識ですので、タイヤ交換時にゴム製エアバルブが装着されていると、黙っていても同時交換で新品にしてくれることが多いです。多くの場合は請求書に自動的にエアバルブの値段が乗ってくるか、または工賃に含まれてサービスになっている場合もあります。その際、市井の施工店ではTR41*規格の汎用品が使われます。
従って、信頼のおける施工店でお願いしていれば、オーナーさまがエアバルブのことまでいちいち心配する必要はないと言えばないです。ただ、汎用の規格品エアバルブは値段も品質もまちまちです。ネットで検索するとわかりますがTR413規格品の汎用エアバルブは単価20円台から売られていて、激安品は流石にVW/Audi純正部品と同等品質、同等信頼性、同等寿命とは考え難いです。
走行安全に係る重要部品ですので、
「僅か数百円をケチって安全性や信頼性を下げたくない」
「どんな品質ものが使われているか分からないのは心配」
とお考えのオーナー様も多いと思います。新車時と変わらない信頼性を維持したい場合は、この純正部品を使うのが一番安心です。
(maniacs STADIUMのタイヤ交換はこのVW/Audi純正品を使っています)
VW/Audi 純正エアバルブ(商品ページ)

(以下余談です)本品の適合範囲をご説明するついでに、タイヤプレッシャーモニタリングシステムのお話をします。略称はTPMSで、日本語混じりの一般名称で「タイヤ空気圧監視システム」とも言われます。北米、欧州、韓国等ではTPMSの新車装備が既に義務化されていますが、日本での義務化は未定のようです。
TPMSは方式が大きく2種類に分かれ、ひとつはタイヤの高圧内部に圧力センサを装備し、測定した値を微弱電波で車両のECUに送信するもの(直接式)、もうひとつはABSの回転センサーの値で各輪の回転数を比較演算して間接的に空気圧低下を検知するもの(間接式)です。TPMSは狭義では直接式TPMSを指す場合もありますが、一般的には広義で、間接式と直接式の両方を合わせてTPMSと呼びます。

VW(日本向け)ではTIGUANが直接式TPMSで、それ以外の殆どの車両は間接式TPMSを装備しています。Audi(同)ではQ5、Q7およびRS系の車両が直接式TPMSで、それ以外の殆ど車両は間接式TPMSです。
直接式のメリットは空気圧を数値で把握でき監視の精度が高いことで、デメリットは送信器付きのセンサーが車輪ごとに必要で電池式のためのランニングコストも含めて全体に割高なこと。間接式のメリットはハードウェアの追加が不要で安価なことで、デメリットは空気圧の絶対値(数値)は分からず、乾燥舗装路以外では監視(空気圧低下検知)の精度も落ちることです。
VW/Audiでは未舗装路や雪道を走る機会が多いと想定される車種、またはパワーのある4WD車が直接式TPMSとなっているようです。直接式TPMSが装備されている車両は、コンソール(ディスプレー)で空気圧の数値を確認もできます。メーカー標準装備の直接式TPMSは、写真のようにセンサと送信機がエアバルブと一体化した構造で、そのため上記ゴム製エアバルブ(300円)は非適合となります。
上記以外の大半のVW/Audi車は空気圧を数値で表示する機能がなく、単に空気圧低下の警告が出せるシステムになっています。すなわち、間接式TPMSが装備されています。それらの車両(およびTPMSを何も装備していない車両も含む)には、この純正のゴム製エアバルブが適合します。空気圧は、監視することも重要ですが、それ以前に空気漏れ(スローリーク等)を起こさないことが最も重要です。タイヤ交換の際には是非きちんとした品質のエアバルブで毎回の予防交換を行ってください。
(余談のさらに余談)
直接式TPMSはハードウェア技術の進歩と量産化で安価になり電池寿命も延びています。一方で間接式TPMSは判定ロジックの高度化やサスペンションセンサの監視連携等で精度が向上しています。現在のABSセンサだけを用いた間接式は、北米(義務化)のTPMSの基準を満たさないため、世界的には直接式の採用が多くなっているようですが、今後中期的に見た場合はどちらが主流になっていくか、または車種や価格帯により共存していくのか等、動向を見守っていきたいと思います。

自動車タイヤ用エアバルブには、大雑把に言ってこの「ゴム製のもの」と「それ以外のもの」の2通りがあります。ゴム製エアバルブはTR41*の規格品です。TR412(短い)、TR413(普通)、TR414(長い)は、ホイールの穴径11.5mm用で、首の長さのみが違います。乗用車用としてはこの3種が最も一般的です。後者(ゴム製以外のもの)は、金属製のもの、デザインが施されたもの、L字や角度のついたもの、社外ホイールメーカーの専用品、など様々です。

エアバルブは常時高圧が掛っているパッキン構造なので、タイヤと同様に経年劣化します。ゴム製エアバルブは比較的安価ということもあり、また裏から挿す構造でタイヤを外したときにしか交換できないこともあり、タイヤ交換の際には同時交換するのが原則です。金属製エアバルブもOリングや内部のゴム部品がやはり劣化しますので、高価な凝ったエアバルブを長期間使い続けるよりも、信頼性で言えば安価なゴム製エアバルブをタイヤ交換と同時に毎回新品にするのが良いです。

そのことは、タイヤ業界では概ね共通認識ですので、タイヤ交換時にゴム製エアバルブが装着されていると、黙っていても同時交換で新品にしてくれることが多いです。多くの場合は請求書に自動的にエアバルブの値段が乗ってくるか、または工賃に含まれてサービスになっている場合もあります。その際、市井の施工店ではTR41*規格の汎用品が使われます。
従って、信頼のおける施工店でお願いしていれば、オーナーさまがエアバルブのことまでいちいち心配する必要はないと言えばないです。ただ、汎用の規格品エアバルブは値段も品質もまちまちです。ネットで検索するとわかりますがTR413規格品の汎用エアバルブは単価20円台から売られていて、激安品は流石にVW/Audi純正部品と同等品質、同等信頼性、同等寿命とは考え難いです。
走行安全に係る重要部品ですので、
「僅か数百円をケチって安全性や信頼性を下げたくない」
「どんな品質ものが使われているか分からないのは心配」
とお考えのオーナー様も多いと思います。新車時と変わらない信頼性を維持したい場合は、この純正部品を使うのが一番安心です。
(maniacs STADIUMのタイヤ交換はこのVW/Audi純正品を使っています)
VW/Audi 純正エアバルブ(商品ページ)
なお、エアバルブの交換作業は一般的にはタイヤ交換時の同時施工に限られます。その際、エアバルブを持込で対応してもらえるかどうかは(おそらく問題ないと思いますが)タイヤ交換施工店に事前にご確認ください。

(以下余談です)本品の適合範囲をご説明するついでに、タイヤプレッシャーモニタリングシステムのお話をします。略称はTPMSで、日本語混じりの一般名称で「タイヤ空気圧監視システム」とも言われます。北米、欧州、韓国等ではTPMSの新車装備が既に義務化されていますが、日本での義務化は未定のようです。
TPMSは方式が大きく2種類に分かれ、ひとつはタイヤの高圧内部に圧力センサを装備し、測定した値を微弱電波で車両のECUに送信するもの(直接式)、もうひとつはABSの回転センサーの値で各輪の回転数を比較演算して間接的に空気圧低下を検知するもの(間接式)です。TPMSは狭義では直接式TPMSを指す場合もありますが、一般的には広義で、間接式と直接式の両方を合わせてTPMSと呼びます。

VW(日本向け)ではTIGUANが直接式TPMSで、それ以外の殆どの車両は間接式TPMSを装備しています。Audi(同)ではQ5、Q7およびRS系の車両が直接式TPMSで、それ以外の殆ど車両は間接式TPMSです。
直接式のメリットは空気圧を数値で把握でき監視の精度が高いことで、デメリットは送信器付きのセンサーが車輪ごとに必要で電池式のためのランニングコストも含めて全体に割高なこと。間接式のメリットはハードウェアの追加が不要で安価なことで、デメリットは空気圧の絶対値(数値)は分からず、乾燥舗装路以外では監視(空気圧低下検知)の精度も落ちることです。
VW/Audiでは未舗装路や雪道を走る機会が多いと想定される車種、またはパワーのある4WD車が直接式TPMSとなっているようです。直接式TPMSが装備されている車両は、コンソール(ディスプレー)で空気圧の数値を確認もできます。メーカー標準装備の直接式TPMSは、写真のようにセンサと送信機がエアバルブと一体化した構造で、そのため上記ゴム製エアバルブ(300円)は非適合となります。
上記以外の大半のVW/Audi車は空気圧を数値で表示する機能がなく、単に空気圧低下の警告が出せるシステムになっています。すなわち、間接式TPMSが装備されています。それらの車両(およびTPMSを何も装備していない車両も含む)には、この純正のゴム製エアバルブが適合します。空気圧は、監視することも重要ですが、それ以前に空気漏れ(スローリーク等)を起こさないことが最も重要です。タイヤ交換の際には是非きちんとした品質のエアバルブで毎回の予防交換を行ってください。
(余談のさらに余談)
直接式TPMSはハードウェア技術の進歩と量産化で安価になり電池寿命も延びています。一方で間接式TPMSは判定ロジックの高度化やサスペンションセンサの監視連携等で精度が向上しています。現在のABSセンサだけを用いた間接式は、北米(義務化)のTPMSの基準を満たさないため、世界的には直接式の採用が多くなっているようですが、今後中期的に見た場合はどちらが主流になっていくか、または車種や価格帯により共存していくのか等、動向を見守っていきたいと思います。