皆さん、こんにちは。maniacs公認サポーターのじぇいです。以前のブログ、「Golf7へのブロックオフプレートの取付方法」の文末で予告しました、ちょっとしたDIYを今回はご紹介したいと思います。

Golf7_RAP_01いきなりですが完成した部品です(最近、このパターンの出だしが多いですね)。数点のアルミ板から作り出した部品を組み合わせてあり、これが何かと申しますと・・・


車が走行することによって発生する風を積極的にエアインテークに送り込むためのものです。とりあえずFresh air Induction(仮)と名付けてみました。

Golf7_RAP_03実際に車両に取付けたのが左写真です。前回のブログ「 Golf7へのブロックオフプレートの取付方法」でも、じつは最後の方の写真には写っておりました。



黒色塗装にしたため、装着してもほとんど目立ちません。しかし車両前方から風を当ててみると、しっかりとグリル上部から噴き出してきますので、走行風を積極的にエアインテークへ導く効果は十分あります。

Golf7_RAP_05これを作ろうと考えたきっかけは、以前ブログでも紹介されたEventuri Carbon Intake Systemsを見たときでした。左写真はその記事で掲載されたものですが、なにやら赤いプレートがグリル部分にはみ出ていますよね。なんだろうと考えた結果、走行風を利用した空気導入システムであろうと思い当たりました。

この手の装置は、バイクやレース車両などでよく見かけます。新鮮で温度の低い空気を供給することは、燃焼効率の向上や安定した出力の維持に欠かせないからです。ですが、なぜか市販車ではあまり見たことがありません。

調べてみると同コンセプトの商品は市販品でもあるにはあるのですが、取付けにはグリル上部を大きく開口する加工が必要で、敷居が高くなっていました。「車両側への加工なしで装着できる商品が市販されないかな?」と待っていたのですが、出てきません。そこで「無いなら作ってしまえ」とBlock Off Plateの取付を機にDIYで作成したものです。

作り方は、いたってシンプルです。すなわち現物合わせです(汗)。工房長がアップしている、3D-CADを駆使したmaniacs商品の開発と比べると何ともアナログな方法なのですが、実はワンオフで部品を作るには最も適した方法なのです。

Golf7_RAP_07ということで、まずはフロントグリルを外し、どんな形状だったら大丈夫なのか?のあたりをつけていきます。左写真は側面形状を決めている様子です。いろいろな形状の型紙(使用したのはプラ板)を試して、良さそうな形状を決定します。

Golf7_RAP_09型紙の形状をホームセンターで入手した1mm厚のアルミ板に写し、切断加工します。アルミの切断方法は、もちろんご自身のやりやすい方法で良いのですが、工房長が以前ブログで良い方法を紹介していますので、DIYに興味のある方は参照してみてください。

Golf7_RAP_11切り出した板を曲げて、側板部品を立体にしていきます。まっすぐに曲げるには、曲げたい部分を金鋸やカッターで板厚の1/3〜半分ぐらいまで切り込んでから曲げると綺麗に仕上がります。さほどの強度が要らない場合に適した方法です。


Golf7_RAP_13側板部品をつなぐ中央の板も現物合わせで切り出し、グリルにあてがって形状を確認していきます。

全部がつながった、一枚の板を曲げれば良いじゃん、と気づいた方はツーな人です。ですが小生のスキル(加工時に寸法誤差が出る=要は下手っぴ)や、失敗したときのリカバリーの容易さ、入手できるアルミ板の寸法などを考えた結果、今回は分割構造としています。先ほど話に出てきた3D-CAD VS 現物合わせと同様で、量産品とワンオフものでは製作工程にも違いがある、という例でした。

Golf7_RAP_15試作品をグリルに組付けてみました。部品に穴をあけてボルト〜ナットで各部品を組立ています。

グリル本体は無加工で取り付けられるようにしました。グリル上部にあいている長孔のうち、両端のものを利用して部品をボルト〜ナット固定するようにしたのです。自身のアイデアが実現できるのもDIYの良さです。

前写真の状態で実車両に取り付けてみたところ、やはり数カ所の干渉があり、修正が必要になりました。一回で上手くいかない、というのはDIYでは想定範囲内です。干渉したボルト〜ナットの位置をずらしたり、切り欠きを追加したりして対処していきます。

Golf7_RAP_17部品を修正したところです。中央の板部品は不要な穴が表面に残るのを嫌って再製作しました。

修正が終わったら再度車両に取付けを行い、問題ないかを確認します。今回はOKだったので、サンドペーパーで表面を荒らし(塗料の食いつきが良くなります)、脱脂して塗装の下地を作ります。

上写真は下地処理が終わった状態です。ずいぶん表面が荒れて見えるかもしれませんが、この程度であれば塗装したら滑らかになります。

Golf7_RAP_19黒色でスプレー塗装し、再度組み立てた状態です。製品としてはこれで完成です。塗装すると、なんだかそれっぽく見えるのが不思議ですね。




Golf7_RAP_21フロントグリルに取付けてみました。なおグリル上部にあいている長孔には、ホームセンターで買ってきた金網を裏から接着してみました。虫や小石といった大きな異物の吸い込み防止を狙ってみたものですが、まぁ、気休め程度のものです。


Golf7_RAP_23車両に取付けたところです。黒色なので、言われないとほとんど気づかない(涙)のが残念ですが、前から息を吹きかけるとちゃんとグリル上面の長孔から空気が噴き出してくるのが体感できます。つまり走行風を取り込む機能を十分に果たしています。

もちろんこの部品だけで劇的なパワーアップが図れるわけではありませんが、お手軽DIYで常に冷たい外気を積極的に取り込めるというのは、車にとっても自分にとっても(笑)気分が良いものです。

VW/Audi Air Inlet Duct Blockoff Plate Kit(関連商品)

Eventuri Carbon Intake Systems(Golf7R/Golf7.5R)(関連商品)
Eventuri Carbon Intake Systems(Golf7GTI/Golf7.5GTI)(関連商品)

じつはこのDIY、工房長にブログ記事の原稿を見せましたら、絶賛されてしまい、小生DIYのプラ板の型紙を提供させていただきました。それを基にmaniacsでブラッシュアップし商品化も検討するそうですので、ご期待ください。