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お待たせしました! MCB Tuned by maniacs 新発売です!!

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数あるボディ補強パーツの中でも、MCBは3つの際立った特徴があり、昨日ご紹介しましたが再掲します。

1つ目は、単純にボディが変形しないようにガチッと固めるのではなく、ボディの変形を適度に逃がしながら、変形エネルギーを吸収してダンピングすること。

2つ目は、MCBのフリクションダンパーはボディ変形の速さに依存せず、乗り心地領域の速い振動だけでなく、ハンドリング領域のジワッと変形するストロークに対しても十分なダンピングが得られること。

3つ目は、ダンピングによるエネルギー吸収に加えて、内部にバネ特性を持っておりMCB自体が積極的にボディの変形を中立状態に復元する力を発揮すること。

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MCBはそれらの優れた特性により、車両の挙動を安定させ、ステアフィールからも不要なノイズ成分を取り除いて雑味のないスッキリとしたインフォメーションをもたらします(ノイズは「音」の意味ではなく「主情報を阻害する余計な情報」のこと)。操舵のアンダーシュート/オーバーシュートを低減することでより自然な操舵感が得られ、ライントレース性を向上します。

このグラフは、この種の製品にありがちな「イメージ図」ではなく、北海道十勝にあるアイシン精機の豊頃試験場テストコースで実際に試験車両(データは国産車)を走らせて、加速度計、角速度計の実測値をデータロガーで記録したグラフです。アイシン精機走行安全技術部のシャシーグループが測定しました。縦軸・横軸にちゃんと単位と値が書かれているのが実測の証です。

この「片輪突起乗り越し走行テスト」の走行速度は100km/hで、グラフを見ると突起に乗り上げた0.05秒〜0.2秒後のロール角速度のオーバーシュートが無くなり、ピーク値は38%低減しています。0.3秒〜0.45秒後のアンダーシュート(揺り戻しの角速度)も抑制されています。横Gは0.2秒〜0.4秒後付近の鋭いピークが抑えられて概ね1〜2m/s2(≒0.1〜0.2G)の範囲に収まり「あばれ」の幅は40%減少しています。

「走行安定性」あるいは「操縦安定性」の向上は、体感的にも一乗瞭然に感じ取れますが、その効果は単に「効いた感じ」だけでなく、データ上にもちゃんと表れているのです。

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上左の図解は、レーンチェンジの走行テストです。120km/hで走行中に0.7秒以内でレーンチェンジを完了する、いわゆる「急ハンドル」でテストを行っています(テストは国産車)。このレーンチェンジの際の横Gは実測で6.5m/s2(≒0.65G)に達する激しいものですが、そのときのMCBの伸縮ストローク速度は実測で僅かに0.07mm/sです。つまり、ハンドル操作によるボディの変形は、想像以上に極めてゆっくりなのです。

一方で上右の図解は、路面の凹凸でボディがガタン、ブルブル、ビリビリと振動する際のMCBの動きを実測したテストです。路面の凸凹によるMCBの伸縮ストローク速度は、レーンチェンジのそれよりもおよそ2桁も速く、実測の結果は2.5〜20mm/sの領域でした。ドライバー、パッセンジャーが乗り心地の一要素として感じているボディの変形は、比較的素早い往復振動の変形なのです。

この2つの走行テストから分かることは、ハンドリングに影響する0.07mm/s以下のダンピングと、乗り心地に影響するの2.5mm/s以上のダンピングは全く別の事柄であり、ボディの変形と言っても「ハンドリング」や「コーナリング」と、「乗り心地」や「乗り味」は、単純にひと括りに語れないということです。

上の二つの図解で「MCBはハンドリングと乗り心地の両方に効きます」という効果を語るだけでも十分かもしれませんが、工房長としては「なぜMCBに限って両方に効くと言えるのか」をちゃんと説明したいと思います。

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MCBの内部構造はアイシン精機独自のものです。上記0.07mm/sの遅いストロークに対するダンピングはオイルダンパーでは実現の難しい領域ですが、MCBはオイルの粘性に依らないドライメカニズムなので、理論上0mm/s(ストローク速度=0)から全域でダンピングを発揮できます。レーンチェンジやコーナリングでボディがジワッとゆっくり歪む際、MCB内部のフリクションダンパーはしっかり歪エネルギーを吸収してダンピングし、無用なオーバーシュートと反動を抑えます。

MCBのフリクションダンパーの性能を実測すると、ストローク速度0.03mm/s以下、振動周波数にして僅か0.1Hz以下の領域から最大値の95%以上のダンピングを発揮しています。そして、その約1000倍のストローク速度25mm/s、振動周波数にして100Hz以上の領域まで一定の減衰力を発揮することができるのです。この超ワイドレンジかつフラットなダンピング特性によって初めて、ハンドリング〜乗り心地までをカバーする全域を改善でき、高速走行やスポーツ走行だけでなく日常の走行でもドライブフィールが向上するのです。

かなりマニアックな説明になってしまいましたが、これはMCBの技術資料のほんの一部を掻い摘んだものです。MCBを裏付ける技術はもっともっと内容が濃く深いものです。MCBがどのような設計思想に基づき、どのような開発評価を経た製品であるのか、とくに内部にディスクスプリングをレイアウトした独自の復元構造など、工房長はまだまだ語りたいのですが、長くなりすぎるのでそれはまた別の機会に詳しくご説明することにして・・・

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MCBはこれまで国産各車向けに設定があり、多くの実績と市場での高い評価を得ていましたが、輸入車向けには設定がありませんでした。もともと優れた基本性能と乗り味を持つVW車にMCBを付加するには、要所を捉えて装着することが肝心です。MCBは車両本来の性能を引き出して安定性と快適性を高めるものですので、基本性能の高い欧州車にも、しっかりマッチングさせれることができれば、更なる相乗効果を生むことができるのです。

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今回maniacsでは、VW Golf7/7.5へのMCB装着の側面で全面的に協力させていただきました。アイシン精機シャシーグループのメンバーとミーティングを行い、maniacs STADIUMにおいてアイシン精機評価チームのメンバーと協働で実車での装着確認を繰り返して開発しました。Motion Control Beam Tuned by maniacsは、Golf7/7.5の持つ美点を活かしてさらに上質なドライビングフィールと乗り味となるよう、高剛性のブラケットを含む車種専用キットとして製品化しています。

maniacsは、MCBの内部構造、動作原理、作用特性を十分に理解した上で、VW車の基本性能を踏まえ、MCBの効果を最良に発揮できるよう協働しています。ちなみに、上の説明文はアイシン精機の技術資料(資料は主にデータと図解とグラフで構成された工学的なレポートです)を噛み砕いて、工房長自身が先ほど書きおろしたものです。もし何か説明不足や説明不備、ご不明点などがあれが工房長まで電話かメールでお問い合わせください。

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この写真はGolf7.5への実際の装着状態です。MCBを装着すると、ボディ変形のノイズ成分を吸収することで、サスペンションブッシュ類の余分な動き(揺動、振動)を抑制します。その結果、サスペンションアーム類が本来の設計意図どおりに動くようになるため、走行中のダイナミックアライメントが安定します。的確なステアリングインフォメーションと、アンダーシュート/オーバーシュートのないナチュラルなライントレース性で「走りの楽しさ」をより濃いものにしてくれます。

また、MCBの設計思想として、走行に伴うボディの自然な変形は無理に抑え込まず、適度に逃がしながらダンピングするため、突っ張るような嫌味な固さがなく、車両本来のしなやかな乗り味を損なわずに「しっかり」感を増してくれます。これは、実際に装着して走行すると日常の速度域で十分に感じ取ることができます。Golf7/7.5の安心感のある乗り味が、さらに上質なものになります。

数あるボディ補強制振パーツの中でもMCBは効果を体感し易い、装着による乗り味の違いが分かり易い製品です。MCBは動作原理と実測データに整合性があり、体感的効果とも良く一致しますので、実際に装着して走った際に良い意味での納得感があります。maniacsらしい製品にできたと思いますので、MCBならではの上質なドライブフィールを是非体感してください。

Motion Control Beam Tuned by maniacs (Golf7/7.5 Hatchback) 商品ページ
Motion Control Beam Tuned by maniacs (Golf7/7.5 Variant) 商品ページ


初回入荷分にmaniacs STADIUMの店舗の方で予想以上のご予約をいただきまして、Webshop販売分がちょっと少な目になってしまいましたが、セカンドロットもすぐに入荷しますので、ぜひご検討ください。maniacs STADIUMでの装着工賃は、22,000円(税込)です。