工房長です。maniacsのデモカーに少し前から試験装着されていたm+ Downforce Canardが、発売になりました。発売にあたって、あらためて評価してみたのですが、これは見た目の想像を大きく超える優れもの。ありそうでなかった、凄い商品です!ちゃんとご紹介します。

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パッと見は、こんなサイズで、こんな形状で、効くわけないでしょ???という第一印象だと思います。ゴム製で頼りないし、小さすぎてダウンフォースなんて生まないだろうと。流線型でもないし、角度も跳ね上がり過ぎで、整流するよりむしろ空気の流れを乱してしまうだろうと。せっかく滑らかなボディ面にこれを貼るなんて蛇足!!という印象ですね・・・しかし、そうではないのです!!!

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カナードはレースの世界では2000年頃から装着されて、それ以降レギュレーション面も設計面も紆余曲折がありました。大型化してフロントウィングを兼ねたようなものもあります。しかし、カナード本来の効果はウィングとは全く異なるものです。写真は2015年にAudi Sportが耐久選手権(VLN)用に開発したR8 LMSが、実際にニュルブルクリンクを走っている姿ですが、とても小さなカナードが装着されています。これはこのサイズで十分に効果が得られることを意味します。 

もともとカナードはとても誤解の多いエアロパーツで、検索すると間違った説明が多数ヒットします。正しい説明の方が少ないくらいです。カナード自身が「ダウンフォースを生む」「空気を整流する」というのは、どちらも誤りです。カナードはスポイラーやウィングと違い、実はそれ自身はダウンフォースを生み出しません。それどころか、カナードは空気を整流するのではなく、なんと乱流を作り出すためのものなのです。

カナードはタイヤハウスの側面に渦巻き状の乱流を作り、タイヤハウス内の空気を排出することで、間接的にエアロダイナミック効果を生み出すものなのです。その理解でもう一度写真を見ると、全く違った印象に見えてくると思います。

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走行中のタイヤハウス内の空気はとても厄介な存在で、いろんなところに回り込んで、フロア下の気流を乱し、タイヤと一緒に回転して路面との間に潜り込もうとしたり、複雑な無用な動きをします。カナードは、その小さなフィンに沿って空気を捻じりながら巻き上げ、渦巻状の乱流を作ります。渦巻きは成長ししながらホイールの側面付近に達して、タイヤハウス内で吹き回っている空気を排出するのです。タイヤハウスの余分な空気が排出されると、車全体の(とくに下回りの)空気の流れがスムーズになります。

カナードの説明で、いちばん正確に技術的に書かれているのは、あの由良拓也代表が率いるMOONCRAFTさんのサイトです。CD値を殆ど増加させずにダウンフォースが得られる、ということがデータと動画で説明されています。

カナードが生み出す流れとは???

また、作用原理と効果を解り易く説明しているのはWikipediaです。

Wiki\エアロパーツ\カナード
(↑スマホの方は「エアロパーツの種類と効果」を開いて14項目までスクロール)

Wikiによると「乗用車に貼り付けた2cm程度の突起でも、高速道路での直進安定性向上の効果は大きく、十分に体感可能である」とされています。レースの世界ではダウンフォースがとても重要ですが、公道を走る場合は、車全体の空気の流れをスムーズにして安定性を増すことが、期待される効果になります。

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m+ Downforce Canardのサイズは、張り出しが2.5cm 長さが13.2cmです。商品写真で見ると小さく見えますが、原理を知った上で、実際に手に取ってみると存在感のある十分な大きさに感じるはずです。形状も、空気をねじり上げて渦巻状の乱流を生み出す、というカナードの原理のために効果的な設計がなされていることが理解できます。

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装着は、付属の説明書にGolf7.5GTIへの装着方法が記載されています。第一印象では急すぎると感じた角度ですが、動作原理を知れば如何にも効きそうな、納得の装着角度です。裏面の両面テープで貼り付ける方法ですので、もちろん他の車種にも応用範囲が広いです。他車種でも似た感じの位置に装着すれば、同様のエアロダイナミック効果が期待できます。

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そして、この商品のもう一つ優れた点は、安全性への配慮です。形状、サイズ、材質(硬度)などを厳しく規制している日本の保安基準に、しっかり適合しています。材質は、写真のように柔軟なラバーでできていて、しかし走行風に負けてしまうことはない、じつに絶妙な硬さです。これだけ柔軟で、かつ十分にエアロダイナミック効果を得られる、という点がこの商品の際立った特徴なのです。効果を犠牲にせず、適法性・安全性がきちんと確保できています。

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装着状態で、指で押してみるとこんな感じ。市販されている、ファッション性だけのカナードとは一線を画しています。試しに、Amazonや楽天で商品を探してみたのですが、ほとんどがPVC(塩ビ)、ABS、PPなどの比較的硬い素材でできており、EPDM(ラバー)製のものは見あたりません。それは、出発点となる設計思想が全く違っているためだと思います。

適法で、安全で、カナード本来の原理によるエアロダイナミック効果を生む、公道用に開発された本物のカナード。日頃から高速道路利用の多いオーナー様でしたら、フロント周りの安定感が増す効果を体感できると思います。手軽に簡単に装着できる、これは、ありそうで無かった画期的商品だと思います。

m+ Downforce Canard(商品ページ)

(付記)貼り直しによる角度の調整や、一時的な取り外し再装着のための、専用両面テープ(単体売り)をm+に商品化依頼しており、近々販売できると思います。