皆さんこんにちは。maniacs公認サポーターのじぇいです。今回はVWR High Flow Turbo Inlet 90°をGolf7に取付ける方法をご紹介したいと思います。

ターボ入側のパイプを交換することで、吸気の流れをスムースにする商品です。この商品はAUDI A3/S3系にも取付可能です。以下はGolf7に取付ける様子を説明していますが、他車種の場合でもほぼ同手順で取付けることが出来ます。

Golft_HTI_01まずは商品のパッケージ内容からご紹介します。
本体のほかに、予備のO-リングが2本付属しているという、シンプルな構成です。後述しますが、この予備O-リングは非常にありがたい配慮です。取説類は付属していないのに予備品を同梱しているあたり、無口な玄人職人のような親心を感じますね。

ところで上の写真や商品名を見ても、どこに使う部品なのかピンと来ない方もおられるかもしれません。まずはそのあたりからご説明していきましょう。

Golft_HTI_03左写真は、Golf7 GTIのエンジンルームを写したものです。エアクリーナを通過した空気(吸気)は、ターボインレットホースからターボ インレットパイプを通ってターボへと導かれます。このターボの直前のインレットパイプが今回交換する部品となります。このあとターボで加圧(過給)された後はインタークーラからスロットルを通ってエンジンに入ります。


Golft_HTI_05純正品と本商品を並べて写してみました。ターボ入口の形状に合わせた設計としては純正品の形状はそれなりに理にかなっているように見えます。その純正品に対して、本商品はパイプ径が太く、曲がり方も穏やかです。これがエアフローの効率化に効くのだと思いますが、内部を観察するとれだけではないようです。純正品は肉厚が厚く、外観で見比べる以上に内径が細くなっています。


Golft_HTI_07さらに覗き込むと、純正品は枝管の根元部分が内面に張り出しており、流路を狭めています。対して本商品は肉厚が薄く、内部に流路を狭める出っ張りもありません。アルミの溶接品なので理想的な形状を実現できています。見るからにエアがスムースに流れることが想像できます。

前置きが長くなりましたが、それでは商品を取付けていきましょう。でもその前にお約束の文言です。走行直後のエンジンルームは高温になっており、とくにターボ付近は熱くなっています。火傷の危険がありますので、作業はエンジンおよびターボの周りが十分に冷えた状態で行ってください。

Golft_HTI_09まず、ターボインレットホースを外しますが、これはエアクリーナーボックスの蓋と一緒に丸ごと外すのが容易です。T20のトルクスドライバを使用して、左写真○印のネジ8本を緩めます。緩んだネジは蓋側に保持される構造ですので、蓋が外れるようになったらそれ以上緩める必要はありません。

Golft_HTI_11次に蓋につながるホースを外します。前の写真の四角部分を拡大したのが左の写真です。このようにホースをつまんで引っ張れば、容易に外すことができます。



Golft_HTI_13さっき外したネジは蓋に取付いたままで、先端は蓋よりも出っ張った状態になっています。今後の作業中にこのネジ先端でエアフィルタを傷つけないよう注意が必要です。段ボール等でエアフィルタを養生するか、またはフィルタを一旦取り外してしまうのが安全です。 


Golft_HTI_15次にターボインレットパイプとホースを固定している配管バンドを緩めますが、あとで組み付ける際の締め加減の参考に、緩める前にまず試しに少しだけ増し締めしてみてください。意外と簡単に締まると思います。配管バンドの締め加減はこの程度でよいのです。組み付けの際に力いっぱい締めすぎて部品にストレスを与えないよう、必要十分な締付けトルクを今のうちに体感しておきます。なお配管バンドは7mmのスパナ類又はマイナスドライバで緩め/締付けが出来ます。結構たくさん回すので、写真のようにラチェットレンチがあると作業が楽です。

Golft_HTI_17配管バンドが緩んだら、インレットホースをグリグリと引っ張るとホースが外れます。暖かい季節なら作業は簡単です。冬場でホースが外れにくい場合は、ドライヤなどで暖めてあげると良いでしょう。復旧時にホースを差し込む場合も同様です。


Golft_HTI_19次にインレットパイプにつながっているPVCホースを外します。ホースの先端にあるリング状の部分を摘んで潰しながら、上に引き抜けばホースは容易に外れます。摘む部分はギザギザ(凹凸)があり判別し易くすくなっていますので、そこを摘んで潰して、引き抜いてください。


Golft_HTI_21インレットパイプは、まず固定しているネジを緩めます。ネジのサイズはT30です。奥まった位置にありますので、L型レンチでの作業は難しいと思います。写真のようにラチェットレンチがあると作業が楽に行えます。緩んだネジはステーに保持されるようになっています。無理して外さず、そのままにしておきましょう。先ほどのエアクリーナーボックスの蓋を固定していたネジもそうですが、Golf7のエンジンルーム内では、緩んだネジが保持される箇所が多数あります。エンジンルーム内でネジを落とすと面倒なことになるので、とても助かりますね。

Golft_HTI_23ネジが緩んだら、パイプ本体を車両の向こう側に30度ぐらい捩じって傾けます。するとターボインレットパイプを固定している爪の勘合部分が外れるので、パイプを横方向に引き抜くことが出来ます。


Golft_HTI_25爪の勘合構造について少し補足説明します。インレットパイプには3箇所の突起(爪)が設けられており、ターボ側にはこれと噛み合うウケが3箇所あります。装着状態では爪がウケに噛み合って固定されており、インレットパイプを回すと3つの爪がそれぞれウケから外れて、パイプが抜けるようになる構造です。今回使用する商品も、純正と同じ位置に爪が付いていて、純正品同様に固定が出来ます。

Golft_HTI_27さて、ようやくその商品の出番です。まずはO-リング部分に油脂類を塗布しましょう。潤滑がない状態でO-リングを押し込むと、摩擦が大きすぎてO-リングにダメージを与えてしまうためです。とくにこの商品のO-リングは細いので、無理をすると切れ易いです。入手しやすく適した油脂は、純正エンジンオイルだと思います。写真では目立って分かり易いように(笑)白色の耐熱グリースを塗布しています。

油脂を塗布したら、商品をターボインレット部分に差し込みます。外したときの逆の要領でOKですが、このとき商品の先端が相手穴に対して直角にるように慎重に差し込んでください。角度が付いた状態で力を掛けて押し込むと、O-リングが簡単に切れてしまいます。細いO-リングは扱いがデリケートで損傷しやすいため、予備のO-リングが付属しているのだと思われます。ドキドキせずに済むという意味でメーカーの配慮に感謝!しつつ、できれば予備は使わずに済むように丁寧に真っすぐ差し込んでください。

Golft_HTI_29商品側の爪がターボ側のウケの間にくる角度(抜いたときの角度)にして、根元まで押し込みます。無事に押し込めたら、それを回転軸として商品を手前に回します。これで商品側の爪がターボ側のウケに入り、ロックされます。最後にステー部分のネジを締めれば、商品の固定は完了です。

Golft_HTI_31Golft_HTI_33





PVCホースを復旧します。取付時はリング部分を摘む必要はなく、ホース先端部分を上から押してパチンとロックされたら完了です。念のため一度上に軽く引っ張ってみて、抜けないことを確認したら完璧ですね。

次にエアクリーナーボックスとホース部分を復旧します。上手くホースが入らないなぁという感触のときは、配管固定バンドを更にもう少し緩めてみてください。本商品のホース接続部分には、ホース抜止めの凸加工がされていて、この部分の直径が純正品より少し大きいためです。また冬場などの寒い時期は、ホースを暖めると作業性が向上します。

Golft_HTI_35ホースをパイプに差し込んだ後に、一旦エアクリーナーボックスの蓋をエアクリーナーボックスに被せてください。蓋が無理なくかぶさるようにホースの差込加減や角度を調整して、配管バンドで固定します。はじめに確認した、配管バンドの締め加減を思い出しながら作業してください。


最後に取外していたエアフィルタを復旧し、蓋をきちん嵌めてネジ止めで固定したら作業完了です。文章で書くと長たらしくなりますが、実際の作業時間はゆっくり手順を確認しながら行っても30分程度だと思います。

前の写真の通り、見た目はほとんど変わりません。逆に奥様には内緒のコッソリチューンには最適な商品です(笑)。エアの流れを効率化する商品ですから、エアフィルタを高効率のものに交換している人には、一貫性という意味でもとくにお勧めですね。比較的容易に装着でき、分かる人にだけ分かる、エンジンルームのワンポイントとして良い商品だと思います。

出力とレスポンス向上の効果は、エア流量がMAXになる上限付近で現れるものなので、普段の交通のペースで走っている分には体感できませんが、絞られてネックになってた個所が太く通りが良くなるのは精神衛生に良いですし、イザとなったらエアを目一杯吸い込めるというのは、気分的な余裕にもなります。皆様もぜひ取付けられてみては如何でしょうか?ではでは!!

VWR High Flow Turbo Inlet 90°  (商品ページ)