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工房長です。GTIタイプアクセルペダル(仮称)のTゼロ品を評価して設計にフィードバックし、金型修正やNCプログラム修正を行い、それらを反映したT1品のアンプルができ上がってきました。今回のTゼロ→T1の調整でどこが一番変わったのか?一番変わったのはペダル踏面のラダー状にゴム部品が突起した部分のデザインです。写真の左が調整前で、右が調整後、間違え探しのようですね(笑)。実はゴム部品の突起一つ一つの幅(写真の縦寸法)を0.6mm太くしています。

よく見ると右の方が黒いゴム部品の突起が太くなっているのが分かると思います。あまり凝視するとかえって差が分かりにくいのですが、少し離れて全体を見たときの印象が大きく違っています。金型は大きく作ってしまうと修正が難しくなるため、設計を決める際にわずかに控えめに寸法を取ってしまったのが理由です。ほんの僅かの差なのですが、Tゼロ品の印象が少し貧弱に見えたので、妥協せずに調整しました。この調整のためステンレスプレス部品の穴あけ寸法も0.6mm広げる変更をしました。

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ゴム部品の表面は、ラダー状の突起が一面に並んでおり、この突起の全てを0.6mm太くするために、金型はほぼ全面的に削り直しました。僅かな調整のために大掛かりになってしまいましたが、ここはmaniacsとして妥協できないところです。仕上がりは完璧にイメージどおりにできました。ゴム部品は裏面にも変更を入れて、純正ペダルの縦溝に嵌めるゴム部品の縦リブを調整しました。先端付近に一段高いリブを設けて、ここでしっかり位置決めをします。追加した0.2mmの段差が要になります。

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このGTIタイプアクセルペダル(仮称)はお客様がご自身で簡単・確実に装着できるように、シンプルで堅牢な固定構造にしています。Tゼロの時点ですでにしっかりと固定できる状態だったのですが、作業の容易さと装着精度の向上のために、固定構造部分も設計まで遡及して調整を施しました。写真の左が調整前で右が調整後です。ステンレスプレート自体の爪を曲げて固定するのですが、装着時に単純に力を加えただけで所定の形状に変形するように、爪の形状と向きに細かな工夫を加えています。

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写真は、左がTゼロ品、真ん中が今回のT1品、右は純正のGTIペダルです。ラダー状のゴム部品の太さを調整した効果が分かると思います。ラダー状の突起は立体的にラウンドした形状で、T1品の写真はこの丸み艶やかに見えています。この表面状態は、これから金型にブラスト処理を加えて梨地にします。ステンレスプレートもヘアラインの表面状態を今回微調整しました。T1からT2に向けて、さらに各部の最後の詰めを行って、完成度を高めています。発売までもう少しだけお待ちください。