maniacsのDSG Paddle Extensionは、その機能性が最大の特徴です。重量バランス、イナーシャ、ストローク、ハンドルとの距離、形状とタッチ、そうしたものを総合的に改善することで、パドルの操作感を顕著に改善します。機能性に重きを置いて開発したこともあり、コスメティックな面ではどちらかと言うと目立たせない方向でデザインしていました。

ノーマルライクな目立たない外観は、多くのユーザーさまからご支持いただいた一方で、別のご意見として金属製にできないのか?または金属的な外観にできないのか?というご意見を発売当初からいただいておりました。そうしたご要望を受けて、maniacsでは実はこのDSG Paddle Extensionの発売当初から、金属調タイプの開発検討を開始していました。下の写真は最初に製作した金属調タイプのサンプルです。製法は、スパッタリング処理によるものです。

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スパッタリングとは、真空蒸着で表面に金属を薄く付着させる技術です。表面はリアルに金属皮膜でくるまれていますので、見た目の金属感は申し分ありません。反面、艶消し調の仕上げは難しく、キラキラと光り輝く艶ありのクローム色になってしまいます。また蒸着膜は非常に薄く、その膜を保護するために上からクリア塗装を行います。ですので、表面を触った感触はクリア塗装の感触になります。これはこれで素敵なのですが、狙っているサチライトクロームとは少し異なります。

スパッタリングは、実際に車輌に装着して評価も行いました。大事に使うには問題ありませんが、爪を立てたりした場合に表面のクリア塗装が心配で、蒸着膜の密着性もデリケートなため、商品として販売するには心配があります。もう少しマットな感じのクロームにしたいということで、次に試したのが下の写真のサンプルです。これは本物のサチライトクロームメッキで製作したものです。表面はリアルに金属の地肌が露出する仕上がりになります。

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プラスチックにサチライトクロームメッキを掛けるには、まずプラスチックの表面を微視的に(化学的に)荒らして食いつきを良くする前処理を行います。それから銅メッキで下地をつくり、中間層としてニッケルメッキを掛けて、その上に艶消しのクロームメッキを掛けます。金属感という意味ではこれは最高で、表面はカチカチに硬くなり、金属特有のひんやり感もあり、芯まで金属で作ったような感触です。

しかし、これも難があって、表面が硬すぎて手指に馴染まないのです。まるでスパナか何かを触っているような感触で、運転操作系の感触ではないのです。そして最後にたどり着いたのが、下の写真の金属調特殊焼付塗装です。外観はサチライトクロームメッキとまず区別がつきません。並べて見ても分からないほどです。普通のメタリックシルバー塗装などとは全く異なり、どう見ても金属に見えます。

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この表面処理は、自動車メーカーが純正採用しているもので、これを施工するのは福山にある専門メーカーです。一度で失敗無く吹いて焼き付ける必要があり、修正が効かないため施工にテクニックを要します。とくにこのDSG Paddle Extensionのように裏表がなく360°全周塗装のものは難しいのです。外観はサチライトクロームメッキと同じで、感触は手に馴染み、しかも耐久性に優れるのです。

ようやく納得のいく表面処理技術が採用でき、DSG Paddle Extension本来の機能性と、サチライトクロームの外観を両立できました。現在試作サンプルにて評価中ですので、発売までもう少々お待ちください。