工房長です。スペシャルオーダーでR8オイルフィラーキャップの角度調整のご注文をいただきました。VW/Audiのオイルフィラーキャップは、車種によって表面のツマミと裏面ロック(爪)の角度が、それぞれ異なっていて、別の車種のものをポン付けすると機能的には問題なくても、装着状態でツマミが真横ではなく斜めになってしまいます。

Cap1Cap2今回はR32への装着です。まず、お客さまにノーマルのオイルフィラーキャップの写真(左)をお送りいただきました。ツマミが真横になるように置いた状態で、裏面のロックの角度を見ます。

エンジンへの装着状態でツマミが真横になるように調整するため、R8オイルフィラーキャップをツマミの面と裏面の2つのパーツに分離します。パチンばめで填っているだけですので、パッキンのゴムを外して、合わせ目にマイナスドライバーなどを差し入れて慎重に全周の隙間を広げていけば意外と簡単に外せます。

Cap3Cap4分離した2つのパーツは、90°刻みで位置合わせできるようになっています。なので、元の状態から90°の回転なら簡単ですが、それ以外の角度に調整するには少し加工が必要になります。

まず、ハメ合わせの4箇所にリブが立っていますので、これを全て削ってしまいます。これがあると、90°単位で規制されてしまい、それ以外の角度でハメ合わせたときにきちんと填りません。リブはカッターで綺麗に取り去れます。次に、角度を決めているかみ合わせの溝を、希望の角度に刻みます。相手部品と合わせて位置を見極め、ヤスリで溝を作っていきます。

Cap5Cap8左写真のセンターの溝が、新しく作った溝です。これを4箇所に刻みます。正確さの要求される作業です。溝を作ったら、その角度がきちんと出ているか確認して、パーツをハメ合わせます。

ハメ合わせたら、裏返して表面のツマミが真横になるように置いて、裏面のロックの角度を確認します。写真では定規を置いていますが、定規にツマミを当てて真横に置くようにしています。その状態で、ロックがお客さまからお送りいただいたノーマルのオイルフィラーキャップと同じ角度になっています。これで、装着状態でつまみが真横になるはずです。

Cap7Cap6あとは、パッキンを元のように組み付けて完成です。オイルフィラーキャップは任意の角度に調整できます。商品は先程発送完了いたしました。ご注文ありがとうございました。装着が楽しみですね。